鎌倉リハビリテーション聖テレジア病院(腰越)で8月2日、入院患者が心療介助犬と触れ合い、入院中の不安やストレスを解消しようとする取り組みが試験的に始まった。院内の一室には患者が代わる代わる訪れ、犬をなでたり抱きしめたりする様子や、涙を流して対面を喜ぶ姿も見られた。
ペット好きだった元院長の発案で、15年前から院内駐輪場でペット面会を実施している聖テレジア病院。2日には、介助犬と聴導犬の育成団体・ウェルフェアポート湘南(茅ヶ崎市)が保有する心療介助犬2頭が同院を訪れ、面会を希望する患者と交流した。
2時間の交流時間で、会場を訪れたのは患者と職員合わせて50人以上。犬との触れあいを心待ちにしていた患者の佐藤淳さんは、「飼っている気分になって癒された。リハビリも頑張れる」と話し、活力をもらっていた。
看護師が企画
今回の取り組みの発起人は、同院看護師の臼井亜哉さん。動物介在療法に触れたドキュメンタリー番組に感銘を受け、同院での導入に向けて動き出す。
臼井さんから相談を受けた小野紀久子医師が、ウェルフェアポート湘南のメンバーと友人だったことで交渉が進む。患者への希望調査と院内でのアレルギー対策を施したうえで、今回の実現につながった。
臼井さんは「実施できるか不安だったけれど、職員や患者さんの反応、笑顔を見ているとこっちも幸せになる」と話し、初開催を喜んだ。今後は入院時のアンケートで参加意思を確認。今回上がった反省点を生かし、月1回の定期開催を目指していく。
リハビリに導入検討
リハビリテーションの専門病床を保有し、主に回復期の患者が入院している聖テレジア病院。今回の取り組みでは、犬と触れ合うことでのメンタルケアを目的としていたが、今後はリハビリ過程での導入も検討している。具体的には、屋外での歩行訓練での同行や、ブラッシングによる手の動作訓練、犬と同じ空間にいることで空間認識力を高めることなどを想定する。
飯野光治院長は、「患者さんの潜在能力や意欲を引き出す可能性を秘めている」と話し、導入に積極的な姿勢を示す。
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