伝統芸能を次世代へ引き継ごうと、2010年に始まった「湘南子ども祭ばやしフェスティバル」。鎌倉や藤沢と会場を移しながら2〜3年おきに開催してきたが、3回目の15年を最後に、参加者や会場確保の問題、コロナ禍によって途絶えていた。9年の月日を経て9月21日、大船観音寺で復活した。
地域のイベントで披露される祭ばやし。同フェスティバルでは、小太鼓2、大太鼓1、笛1、かね1人で構成する「五人囃子バトル」と銘打ち、各チームが演奏を競う。
9年ぶりに開催された第4回大会には、鎌倉と藤沢から11チームが出場。持ち時間は1チーム3分。大人の出場も可能だが、子どもの数が多いほど加点される特別ルールのもと審査された。
優勝は台のチーム
優勝したのは、台祭囃子保存会(鎌倉市)のチーム「紅花通い」。浅野紅帆さん(22)を中心に、姚心媛さん(17)、加藤奏汰君(10)、中村眞千さん(9)、市川晃君(8)の台に住む小学生から大学生までで編成した。松尾崇市長から表彰状を受け取った浅野さんは笑顔を見せ、「楽しく演奏でき、いい思い出になった」。
ほかにも、バチを回転させながら太鼓を叩く”バチ回し”を披露したチームや、エプロンを着けた主婦たちがフライパンや鍋を楽器に使用するなど、各チームが工夫を凝らした演奏で会場を沸かした。実行委員の小野田康成さん(62)は、「文化として守っていくために、2年に1度開催していきたい」と話す。
祭ばやしの魅力について参加者からは、「演奏するとテンションが上がる」、「日本の雅な感じが伝わってくる」といった声も。大学生の齋藤萌依さん(20)は、今年6月から演奏を始めたばかり。最初は妹の付き添いで稽古場に足を運んでいたが、今では自分の方が前のめり。「祭ばやしは普段の生活でできないこと。地元で1つ打ち込めることができたのもいい」と語った。
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