第41回全日本ジュニア馬場馬術大会のジュニアライダー選手権で優勝した 松久 武玄さん 御成町在住 18歳
言葉でなくても伝わる
○…長方形の競技エリア内で、演技の正確さや美しさを競う馬場馬術競技。9月28・29日に都内で行われた第41回全日本ジュニア馬場馬術大会のジュニアライダー選手権で、初優勝を果たした。資格記録を突破した24人が出場した14〜18歳が対象のジュニア部門。栄冠をつかみ、「とにかくうれしいの一言。ライバルたちに競り勝ったことは自信になる」と目を輝かせる。
○…大学で馬術部だった父の影響で幼稚園の時に競技を始め、同大会には10〜16歳が対象のチルドレン部門から出場する。転機は中学3年時。前年6位だったジュニア部門で予選落ちを経験し、「能動的な姿勢で楽しめていない」と痛感した。「馬に指示を与えるだけでは勝てない」。そう自己分析し、改善したのは愛馬ギーマント(17歳)とカンナス(9歳)との心の距離。練習前のハグは欠かさず、互いに気持ちを確かめる。今では言葉を発しなくても思いが伝わる間柄で、「まるで着ぐるみを被った人間のようで声が聞こえてくる」。時間をかけて築いてきた信頼関係が、競技結果にも現れてきた。
○…米国生まれで、2歳半の時に鎌倉へ。御成小を卒業し、鎌倉学園中に進学。鎌学高3年の現在は、藤沢乗馬クラブに週2回通いながら、受験生として勉学に励んでいる。趣味は大人向けレゴの制作と米国アニメの鑑賞。愛犬との時間も大切にしながら、つかの間の休日を過ごしている。
○…馬場馬術競技は、競技者の平均年齢が高いのが特徴で、80代の選手が国際大会で活躍することもある。「長く続けていくことで、いつかチャンスをつかみたい」と思い描いているのは、オリンピックやワールドカップへの出場。愛馬と心を通わせながら、挑戦は続いていく。
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