パリオリンピックのセーリング混合470級で銀メダルを獲得した 岡田 奎樹(けいじゅ)さん 市内在住 28歳
努力と挑戦で進む世界の海
○…パリ五輪セーリング男女混合470級で銀メダルを獲得。自身が得意とする風を読む力と、努力家で高身長が武器の吉岡美帆選手の力で掴んだメダルはずっしりと重い。「銀はうれしい。でも失敗しなければ金をとれたはず」。順調だった前半で、戦略を変えたことがメダルの色を分けたと悔しさをにじませる。一方で、無観客の五輪を経験していたことで「応援が前進力になっていると改めて感じた」。
○…福岡県で生まれ、父に誘われ5歳でヨットを始めた。初めこそ指示通り動くだけで精一杯だったが、すぐにのめり込み、全日本OP級選手権小学生の部で優勝。佐賀の唐津西高校へ進んでからは2人乗りに転向し、舵取り役のスキッパーとして腕を磨いた。早稲田大学在学中にジュニア世界選手権で優勝、W杯日本男子初優勝を飾るなど、活躍し続ける。
○…現在は江の島を拠点に活動。東京五輪では男子470級で7位入賞したが、パリでは男女混合に種目が変わり、「3年しかない」中で吉岡選手との挑戦が始まった。組み初めは男女差など不慣れな部分もあったが、全日本優勝、世界選手権優勝、五輪銀メダルと努力は裏切らなかった。ロス五輪ではまた種目が変わるため、「まずは入賞」と堅実な目標を据える。
○…同じセーリング選手と結婚し、娘が生まれた。父の活躍は「さすがにまだよく分かっていないかな」と笑う。「地方はメダリストに会う機会も少ないから」と、地元に戻った時には、積極的にメダルに触れてもらうようにしている。多くの人に知ってほしいと話すのは、海から見た自然の美しさ。春は桜、夏は青々とした緑、紅葉、雪景色―。マリンスポーツの魅力は競技だけではない。もっと海を訪れる人が増えてほしいと願う。
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