11月24日の人生会議を主催する「ターミナルケアを考える会㏌鎌倉」代表の 木内 薫さん 藤沢市在住 55歳
背中を押されているから
○…人生の最期は誰にでも訪れるもの。11月30日(いい看取り・看取られ)の「人生会議の日」を前にした24日、鎌倉版の人生会議を建長寺龍王殿で開催する。もしもの時に備え、自身や家族が望む医療やケアを前もって考えるきっかけとして企画。「最期の瞬間までどう過ごしていくか。少しずつでも気軽に考えられる機会になれば」と参加を呼びかける。
○…2018年に始まった人生会議は、今回で3回目。終末期に関わるさまざまな職種の仲間で結成したターミナルケアの勉強会が前身で、「看護師は看取る場面に立ち会う職種なので、正しい知識と心構えが共有できた」と気持ちが和らいだ。14年からは、市民向け出前講座を開催。今では終末期の場面を想定した冊子が完成し、講義内容に深みが増す。
○…医療短大卒業後に働いた大学病院で、胃がんを患った医学部生を看取った。マイカーを運転したい医学部生の願いを叶えようと、医師や看護師が同乗し、父親とのドライブが実現。その人らしく生きるサポートにやりがいを感じる瞬間だった。結婚を機に高齢者の在宅訪問や、産婦人科で流産や死産を経験した妊婦にも寄り添う。その後、湘南鎌倉総合病院の地域医療部での訪問診療を経て、現在に至る。人前でしゃべるのが得意ではないというが、「良い看取りができなかった人から背中を押されているよう」。活動を展開する原動力になっている。
○…最期に向き合うにはエネルギーを要するため、日ごろのリフレッシュを欠かさない。海辺での愛犬との散歩は早朝の日課で、富士山を眺めて自然から力を得ている。「死というのは自然の摂理で仕方がないこと。その人らしい人生が送れるお手伝いができれば」と寄り添い続ける。
|
|
|
|
|
|