パリ五輪の体操競技で金メダルを獲得した 岡 慎之助さん 市内在住 21歳
叶えたい”史上初”
○…始まりは保育園だった。園児が鉄棒で逆上がりする姿を見た保育士は、「体操をやった方がいいよ」と声をかけた。遊びの延長から4歳で体操教室へ通い出した。それから16年、今夏のパリ五輪では個人総合、団体、種目別鉄棒で金メダル。日本人の1大会3冠は、1972年ミュンヘン五輪の加藤澤男さん以来52年ぶりの快挙だった。平行棒の銅も合わせ、初の五輪で4個のメダル。「率直にうれしかった。自分の演技をすべて出せたので満足している」と話す。
○…柔軟性のある美しい体操が称賛された。五輪の床演技では、まっすぐな倒立姿勢に会場から歓声があがった。ただ、そこに至るまでは「地味なことをずっとやってきた」。そして、金メダルを獲得した今改めて思う。「地味なことを継続していくのが大事」。2019年の世界ジュニア選手権個人総合で金メダルに輝き、”日本の宝”と期待されてきた。しかし、2年前に右足の前十字靭帯を断裂。選手生命が危ぶまれる大けがでもまったく諦めることなく、「どうやったら金を獲れるのか」を模索し続け、結実させた。
○…岡山県出身。15歳までおかやまジュニア体操スクールに所属し、中学卒業後に神奈川へ。徳洲会体操クラブで腕を磨く。鎌倉で暮らし、「1番好き」というのが小町通りのソーセージ。勝負どころの前日にはサウナへ。五輪期間中も「整ってました」とおどけて見せた。大舞台を前にも、自然体は健在だった。
○…次のロス五輪では、連覇とともに、種目別平行棒を加えた4冠を狙う。また、個人総合で五輪&世界選手権の世界大会を8連覇した内村航平さんの名を挙げ、「それに並ぶぐらいの歴史を作っていきたい。自分にしかできないことを」。
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