市役所前に憩いの場を設けようと、先月、玄関前の広場に野菜を用いた緑化が行われた。設置されたプランターにはキャベツやハーブなど、普段食卓に並ぶ「食べられる」野菜が植えられている。この野菜による景観作りは「エディブルランドスケープ」と呼ばれ、今回の取り組みは日本でも珍しいという。市民団体「グリーンズアート鎌倉(佐々木康憲代表)」が手がけた。
市役所の玄関前広場には、かつてパンジーなどを植えたプランターが並んでいたが、昨年3月に担当者が離職し、以来、それらも撤去されていた。この現状に佐々木さんは「何もないままでは淋しい」と思い、玄関前の緑化を市管財課に提案したという。
その後、市は本庁舎の緑化協力者を募集し、同団体は「鎌倉を美しくする会(高田晶子会長)」と共同で応募、協力者に選ばれた。先月に、鎌倉を美しくする会の後方支援を受け、野菜を植えたプランターやベンチを設置する運びとなった。
食べられる植物を用いた景観作り「エディブルランドスケープ」は、佐々木さんによると野菜を見直す機会として、世界で注目されているという。また、新たなアートとして楽しめる景観としても期待されている。
今回、同団体が3週間かけてプランターから保水性を高めた土まで全て手作り。費用は全部で約40万円かかり、団体への寄付金から拠出された。現在、市役所玄関前の一角はチコリやトウガラシなど10数種の野菜でにぎわっている。
佐々木さんは「同じ緑でも野菜があると雰囲気が変わる。土に植えられた姿を知らない子どもたちにも興味をもって欲しい」と話す。
今回、野菜緑化を手がけたグリーンズアート鎌倉は、景観美化に取り組む「江の島みちルネッサンス推進会議(以下、みちルネ)」から派生したもので、昨年1月に設立。現在会員数は6人で、今回が初の一大事業。
みちルネでは約1年前から野菜を取り入れた景観作りの取り組みを開始。佐々木さんらも共同で実現に向けて準備を行ってきた。
佐々木さんは「今後は鎌倉野菜を取り入れるなど、地域ならではの景観作りをしていきたい」と話す。
問【携帯電話】080・6543・2358佐々木さんまで。
鎌倉版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|