昨年5月と7月、スリランカの非政府組織(NGO)「スリランカ日本教育文化センター(ミーガハテンネ・チャンダシリ事務局長)」から東日本大震災義援金として112万3523円が寄付された。これをうけ宮城県石巻西高等学校(東松原市)に「東日本大震災モニュメント」が建立され、長年同センターと交流を続ける市内津在住の小須田和良さん(79)が3月29日(木)の除幕式に参加する。
同センターは、1986年にスリランカに設立された。同国と日本との友好を目標に、教育・文化の交流企画を実施。学力が優秀でも貧困で、進学が困難な13歳以上の学生に対し、奨学金を援助する日本の里親を募り、教育支援を行っている。小須田さんは、1989年に同センターの活動を知り、以来里親としての援助をはじめ、同国に図書基金、幼稚園基金を創設するなどの交流を続けていた。
今回の寄付の直接のきっかけとなったのは、2004年12月のインドネシアのスマトラ島沖地震。津波によってスリランカも大きな被害を受け、「親を失った子どもたちを助けてほしい」とチャンダシリさんから小須田さんに依頼があったという。それを受け、翌05年に「スリランカ教育支援会」を設立し、通常の奨学金とは別に、遺児の教育支援などを行ってきた。
昨年の東日本大震災で、日本の里親の中にも津波の被害者がいることを知ったチャンダシリさんが、かつての恩返しにとスリランカの奨学金受給者からの寄付を計画。集まった寄付金は5月と7月の2回にわたり支援会に入金され、合計で112万3523円にのぼった。さらに同支援会と、大阪で活動している同国援助組織が20万円ずつ寄付。その使い道を小須田さんは「『津波』と『教育』に関わることに」と模索。震災時の避難所や死体仮安置所など地域の拠点となり、また「国際理解教育」を教育目標の一つとしていた石巻の同校を知り、震災の記憶を伝承する碑文を刻んだモニュメントを校庭に建立するはこびとなった。除幕式にはチャンダシリさんら関係者が参加する。
鎌倉版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|