「鎌倉市図書館振興基金条例」が施行されて約1年。同条例に基づき、市内5カ所の図書館に現在、市の郷土資料管理などを使用目的とした募金箱が設置されている。しかし、周知が十分にできていないのが現状だ。
条例制定を働きかけた市民団体「図書館とともだち・鎌倉」代表の阿曾千代子さん(58)は、「基金の存在をもっと知って欲しい」と訴えている。
基金は、市図書館創立100周年を記念して、市に関する郷土資料の収集や管理などに必要な費用調達を目的に、昨年10月に設立。阿曾さんによると、図書館への市予算が削減傾向にあり、郷土資料購入が経費的に難しい状況にあったことも一因という。「寄付が直接図書館に渡り、充実を望む市民の意向が反映される仕組みを数年前から要望していた」と阿曾さんは話す。
寄付金は今年3月末までで約12万円集まり、図書館では、今年度の目標を50万円としている。しかし、基金の開始から約1年が経過しても市民への周知がなかなか行き届いていないのが現状だという。
9月21日には、中央図書館1階カウンターに設置された募金箱が壊され、約1万5千円が盗まれたことが発覚。阿曾さんは「寄付していただいた方に申し訳ない」と心を傷める。
基金への寄付は、ふるさと納税として取り扱われ、所得税の寄付控除や法人税の損金対象となる。市内各図書館に設置された募金箱に寄付するか、図書館などで手に入る振込用紙で、指定の金融機関や図書館などに入金する。中央図書館の古谷修館長は「鎌倉の図書館は市民の寄付によって設立された。今後100年も市民とともに歩んでいきたい。ぜひご協力を」と話した。問合せは【電話】0467・25・2611市中央図書館へ。
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