鎌倉市消防署に勤務する小倉健二さんが、8月に北アイルランドで開かれた「世界警察消防競技大会(WORLD POLICE&FIRE GAMES)」のベンチプレス(90kg以下級)で優勝を果たした。小倉さんは185kgを挙げ、「マスターズ(40〜50歳)」カテゴリーの世界記録も更新し、頂点に立った。
この大会は2年に1度開かれ、警察官や消防士など約1万人が80種目ほどのスポーツで争う。小倉さんが同大会に臨んだのは4回目。これまでにも2007年オーストラリア大会での「金」を含む3つのメダルを獲得してきたが、前回のニューヨーク大会では182・5kgを挙げた地元選手に惜敗し「銀」。自身の持っていた当時の世界記録175kgも破られた。
リベンジを期した今大会では2位選手に35kgの大差をつけた圧勝。世界記録も自身の手に取り戻した。だが「満足の気持ちはない。もっと上を狙えると思う。目標は190kgを挙げること」と話すように次大会をすでに見据えている。
実は大会前には不安もあった。トレーニング中に左肩を痛めた影響で1カ月前まで不調に陥っていた。痛みからバーベルを持てない時期もあったというが、整体師の仲間の協力や、ダンベルを用いた肩に負担の少ないトレーニング方法を工夫することで調子を取り戻していった。
普段は浄明寺出張所に消防司令補・救急隊長として勤務。ベンチプレスは仕事の延長として20年ほど前に始めたという。大船の実家にあるホームジムで1日3、4時間汗を流す。始めた当初は67・5kgだった体重も現在は90kgになった。
自慢の腕力は仕事の場でももちろん活かされている。「ストレッチャーが入れない場所での救助・搬送や、ホースなど重い物資の運搬の場面でスムーズに活動できる」と小倉さん。一人でも多くの市民を助けるため、高みに挑むため、今日もトレーニングに余念はない。
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