任期満了に伴う鎌倉市長選挙は10月27日、投開票が行われ、現職の松尾崇氏(40)が2期目の当選を決めた。告示間際の立候補表明で苦戦が予想された新人の岩田薫氏(60)は、ごみ処理問題に争点を絞った選挙戦を展開し2万票あまりを獲得した。投票率は過去最低の37・40%だった。
「『持続可能な鎌倉』を掲げ、4年間様々な行財政改革に取り組んできた。1期目で培ったものを活かしながら、これまで以上にスピード感をもってやっていきたい」。午後10時前、「当選間違いなし」の報を受けた松尾氏は、西鎌倉の選挙事務所で支持者らと喜びを分かち合った後、2期目への意欲を語った。
一方、支持者ら10人ほどが集まった扇ガ谷の岩田氏の事務所では、午後10時過ぎに開票結果が明らかになると、陣営にため息が広がった。結果を受け岩田氏は「4年間の松尾市政への批判の受け皿になれたと思う。松尾市長には2万票あまりの市民の声を重く受け止めてもらいたい」と語り、悔しさのなかに手ごたえをにじませた。
ごみ問題が争点に
今回の市長選では松尾氏が8月末に再選出馬を表明した後、他陣営の候補者擁立が進まず、一時は無投票もささやかれた。
岩田氏が立候補を表明したのは告示直前の10月7日。松尾氏の優位は明らかだったが、岩田氏が「コストの増加に比して減量効果に疑問。街の美観にも問題がある」などとして「家庭系ごみの戸別収集・有料化導入に反対」という「ワンイシュー戦略」で選挙戦に臨むと思わぬ苦戦を強いられた。松尾氏は「(市議、県議時代を含めて)5回目の選挙で一番厳しい戦いだった」と振り返った。
この日、松尾氏は記者の質問に答え「相手候補がごみ問題を争点とするなか、民意が明らかになったと思う」と述べ、一定の理解が得られたとの認識を示した。ただ計画実施に必要な条例改正案を市議会に提出する時期については「来年7月の実施に向けてしかるべき時期に出す」として、明言を避けた。
「戸別・有料化」を巡っては、市議会で10月3日、計画の見合わせを求める決議が5会派により提出、可決されており、今後も紆余曲折が予想される。
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