「かの深田久弥の名著『日本百名山』にならって『鎌倉十名山』なる新名所をつくらんとして実行に移しました」―。このほど、編集室にこんな手紙が届いた。メンバーの3人は登山愛好家、ではなく意外にも全員が山登り初心者だという。満身創痍となりながらも、「十名山」を決定したきっかけや経緯、その思いを聞いた。
このほど、「鎌倉十名山」を選定したのは市内在住の岩澤博さん、久保義信さん、福田滋さん。
3人は生涯学習情報誌『鎌倉萌』の編集を行う生涯学習推進委員を務めており、毎月顔を合わせるボランティア仲間だ。
「百名山」参考に
「十名山」のアイデアはテレビで深田久弥著『日本百名山』を辿る番組を観た久保さんが発案。
鎌倉には古くから伝説や由緒のある「十井」や「十橋」はあるものの、山に関しては特にない。「天園ハイキングコースなど、一部のコースは他市からも人が来るほど有名なものの、それだけになっている。三方を山に囲まれているのに、これはもったいないと思っていた」と久保さんは振り返る。
昨年2月にボランティア仲間に声をかけ、3人が集まった。選定に際しては地図や寺社仏閣など、各方面から情報を収集。候補を13に絞り、昨年3月から9月にかけ、5回に分けて登攀ツアーを行った。基準として高さ、展望、由緒、歴史のほか、実際に登った印象も加味。全員で議論したうえで決定した(表参照)。
気軽さが魅力
久保さんと岩澤さんは日頃の運動不足がたたり、膝を痛めたというが、「初心者の私たちでも登れたのがポイント。気軽に楽しめる」とその魅力を話す。また、山道の入口に標識がなかったり、正確な標高がわからない山があるなど、課題があることも分かった。
久保さんは「今回私たちが定めた十名山に、意見や不満を持たれる方もいるはず。そういった声は大歓迎で、ゆくゆくは、鎌倉市民みんなが納得する『十名山』が生まれることを願っています」と話している。
問い合わせは【電話】0467・46・6864久保さんへ。
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