由比ガ浜、材木座、腰越の3海水浴場は7月1日、海開きを迎えた。由比ガ浜海水浴場では今年、県内初となる「バリアフリービーチ」を開設。車椅子利用者でも行き来しやすいようにと海の家を木製の板でつなげたほか、土日祝日はライフセーバーが介助員として障害者の移動などをサポートする。オープンは8月31日(土)まで。
昨年の3海水浴場来浜客数70万人中、62万5100人を占める由比ガ浜海浜浴場では今年、バリアフリー化を推進。海の家事業者などでつくる由比ガ浜茶亭組合が、総工費約2000万円を捻出し、車椅子利用者が通行できるように、「ボードウォーク」と呼ばれる木製の板を23カ所ある全ての海の家の間、約800mに手作りでつなげた。
また市と同組合が2016年から実施する一部海の家へのスロープ設置や水陸両用車椅子の貸し出しも継続。土日祝日には監視所でライフセーバー2人が待機し、障害者の移動などを手助けする。
県は今後、国道134号線沿いの歩道から砂浜までのスロープ設置や砂浜から波打ち際までマットを引く予定で、現在開会中の県議会に関連費用を補正予算案として提出している。
内田さんの“夢”実現
バリアフリービーチ開設のきっかけを作ったのは、股関節に先天的な障害を抱えながら、障害者サーフィン世界選手権で2連覇を果たした内田一音さん(47歳・津在住)。
選手権会場のアメリカでは、車椅子でも海に入れるマットが1年中敷かれているなど、のびのびと海を楽しむ障害者の姿があった。「自由に海に行ける環境に衝撃を受けた。障害者の海への道を増やしたい」と日本に帰国後、同組合や市などにバリアフリー化を呼び掛け、今回実現した。
同日行われた海開き式で内田さんは「協力してくれた方々に感謝。今後も続けていき、日本各地にバリアフリービーチが広がれば」とあいさつ。
ボードウォークやマット、水陸両用車椅子などを体験した車椅子利用者の生方亮馬さん(42)は「人に気を使ったりストレスがない。車椅子仲間と海に行こうという気分になる」と笑顔を見せた。
材木座でスポーツビーチ
「マナーアップ条例」を改正し、砂浜での飲酒や音響機器の使用を禁止するなど「安心・安全な海水浴場」を目指してきた鎌倉市。条例を制定した14年に60件あった市への苦情件数も、昨年は5件にまで減少した。
ファミリー層に海水浴を楽しんでもらおうと昨年同様、7月7日、21日、8月4日、18日、25日の日曜、材木座海水浴場の一角を「鎌倉スポーツビーチ」として運用する。
遊具が使用できるほか、タックル代わりに腰につけた「タグ」を取り、鬼ごっこ感覚でラグビーを楽しめる「タグラグビー」体験を開催。また7月21日、8月18日のみ、マジックテープで作ったボールとプラスチック製のクラブを使った「スナッグゴルフ」体験もある。
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