市内の主婦が中心となって、子育て情報を発信してきたウェブサイト「鎌倉子育てガイド」がこのほど、「鎌倉くらしと子育てガイド」(https://kosogai.com/)としてリニューアルした。並行して発信してきた医療や介護などの生活情報をまとめ、より見やすくなった。運営するボランティア団体は「子育てにかかわらず、暮らしのワクワクを伝えていきたい」と話す。
「鎌倉子育てガイド」がスタートしたのは2000年。市の母子保健事業やママ友の作り方、授乳室・トイレ事情など、公的なものから住民の口コミまで、子育てに関するありとあらゆる情報を掲載してきた。企画・運営するのは、地元の主婦らで作るボランティア団体「NPOコソガイ」(入江麻理子代表)だ。
入江代表が鎌倉に移住したのは24年前。「観光情報はたくさんあるのに、住民向けの情報は市からのものすら少ない。子どもが集まる公園も小児科も子連れで行ける歯科も分からず、自分で調べて行ってみてだめだったことは何度もあった。子育てするには不便な街だった」と当時を振り返る。
当事者目線で発信
そこで注目したのが、当時急速に普及しつつあったインターネット。サイトを立ち上げ、メンバー自らが取材した「子育て中の母親ならでは」の情報を発信し続けてきた。「自分が苦労したからこそ、後に続く人の手掛かりになるものを残したかった。公的な団体が運営するサイトだと思った方から『更新が遅い』などとおしかりを受けることも多々あるけれど、それだけ信頼度が高いということ」と入江代表。
20年の間にメンバーの入れ替わりもあり、現在は4人が活動。入江代表と久保美苗さんが取材・執筆し、情報のアップロード・管理をするのはIT企業での勤務経験もある上山真琴さん、デザインはグラフィックデザイナーだった鎌田文子さんが担当するなど、各自の得意分野で力を発揮している。
育児以外の需要増
思いがけなかったのは子育て情報に付随し、発信してきた医療機関や暮らしの情報への反響だ。
当初は未就学児のいる保護者向けが中心だったが、利用者のニーズと、メンバーの家庭環境の変化に合わせ、05年には病院情報、08年には介護情報のサイトを作成するなど、掲載分野を拡大。「あるクリニックのページには、数年前に亡くなった先生の“ファン”がいまだにコメントを書き込んでくれている。本当にたくさんの人が見てくれている」と鎌田さんは話す。
一方で、膨大な情報を管理することが次第に困難となった。利用しやすさの観点からもリニューアルが必要と判断し、サイトの更新と並行して準備を進めてきた。構想から15年をかけ、今年7月に「鎌倉くらしと子育てガイド」としてリニューアル。スマートフォンやタブレット端末でも見やすいよう、カテゴリー分けをし、デザインを変え、旧サイトで掲載してきた取材レポートにもリンクさせた。自由に情報発信できる生活掲示板も引き続き利用可能だ。
「大変さもあるけれど、『私たちの興味のあることをできる範囲で』と割り切ってやってきた。今後も自分たちのペースで続けたい」と入江代表。同団体では現在、生活や子育ての記事を書くレポーターの募集を行っている。詳細はホームページへ。
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