鎌倉市は今年4月から、「地域貢献送迎バス等モデル事業」をスタートさせた。市内で老人ホームの運営などを行う社会福祉法人と連携。法人が所有する送迎バスの空き時間を利用することで高齢者の移動手段を確保し、外出の機会を増やすのが狙いだ。
鎌倉市では高齢者の外出支援策として2003年から、75歳以上の市民を対象にバスの回数券などの購入に年2千円の助成を行う事業を行ってきたが、市の財政状況の悪化などを受けて14年に廃止となっている。
そこで新たな施策として昨年から導入が検討されてきたのが同事業。地域の高齢者施設が利用者の送迎用に所有する車両が、朝と夕方以外にあまり使用されていないことに着目し、運営する社会福祉法人に対して車両の空き時間に地域の高齢者の足として利用できるように呼びかけた。
これに応えたのが、社会福祉法人きしろ社会事業会(田尻美知子理事長)。同法人はこれまでも積極的な地域貢献活動を行っており、4月に市と協定を締結し、事業がスタートした。
現在は2カ所で実施。特別養護老人ホーム鎌倉プライエムきしろ(関谷)では、月曜日から土曜日まで1日3回、同施設から大船駅西口まで運行しており、ルート途中にある玉縄すこやかセンターに立ち寄って高齢者を乗せている。
また特別養護老人ホーム稲村ガ崎きしろ(稲村ガ崎)では、毎週月曜日午後1時30分から2時30分まで運行。西友七里ガ浜店に集合した利用者を、自宅まで送っている(事前予約が必要)。
七里ガ浜在住の80代の女性は「バスを利用することで帰宅が楽になり、たくさん買い物ができるようになった」と話す。
事業の対象となるのは市内在住の満65歳以上の人で、自力での乗降ができることが条件。「利用申請書兼同意書」を市高齢者いきいき課窓口に提出した上で、利用の際に福寿手帳を提示することが必要となる。
同課では「今後は協力してくれる法人を増やしていきたい。地域の高齢者にはうまくバスを活用してもらい、外出する機会を増やしてほしい」と話している。
問い合わせは市高齢者いきいき課【電話】0467・61・3930へ。
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