鎌倉芸術館で12月20日(日)、「日本語で歌うリモート『第九』上映会」が開催される。同館の風物詩となってきたベートーベンの「第九」公演は、コロナ禍を受けて開催が危ぶまれたが、オンラインレッスンや映像技術を駆使した新たなスタイルでの実施が決定。今年も「歓喜の歌」がホールに響くことになった。
鎌倉芸術館では1993年の開館以来、約300人の市民合唱団と地元ゆかりのソリスト、オーケストラによる「第九」公演を続けてきた。また、なかにし礼さん作詞の「日本語詞版」を数多く上演してきたことでも知られている。
今年は新型コロナウイルスの感染拡大により中止の可能性もあったが、同館関係者が検討を重ねた結果、「新しい生活様式」に合致した練習と上演での開催が決定した。
公募により集まった市民団員は約160人。9月中旬から合唱指導の富澤裕さん、辻端幹彦さんによるレッスン動画(全8回)を見ながら自宅で練習を重ね、11月1日から7日までの4日間かけて、収録が行われた。
収録の際は10人1組で行われ、一人ひとりをパーテーションで区切るなどの感染対策を実施。参加した木村信幸さん(横浜市栄区)は「最初はためらったが、こういう機会でないと挑戦できない、チャンスだと思うようになった。いつもは大勢の1人だが、普段とは違う緊張感があった。いい経験になった」と話した。
また開館当初から参加しているという加藤栄理さん、朋子さん親子(市内在住)は「母が昨年病気をしたこともあって今回は難しいと思ったが参加できてよかった。第九は何回やってもその時の雰囲気によって違う曲のようになるので、今年がどのように仕上がるのか楽しみ」と語った。
24日から動画配信
こうして撮影された合唱、ソリスト、オーケストラの演奏を一つにまとめた映像作品の上映会が12月20日に同館大ホールで開催される(来場者の募集は12月5日に終了している)。
「日本語詞版のなかに『我らは兄弟、世界は一つ』という一節があるが、コロナ禍の今こそ第九のメッセージを多くの人に届けたい」と同館関係者。
映像は12月24日(木)から1月5日(火)まで、動画サイトユーチューブでも見ることができる。詳細は同館【フリーダイヤル】0120・1192・40へ。
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