市内小町の辻説法跡の隣に、宗教法人日蓮宗が新たな布教拠点の建設を進めている。仏教の一宗派として日蓮宗を開いた日蓮聖人(しょうにん)が、700年以上前に教えを広めた鎌倉の地で、その足跡を辿る全国初の施設となる。
日蓮が道行く人に教えを説いたとされる「日蓮聖人辻説法跡地」。日蓮宗はその隣接地を2009年に取得し、12年かけて計画を進めてきた。そして、日蓮聖人の生誕から800年にあたる今年の6月23日に地鎮祭を開き、建設が始まった。
六角堂、展示室
「日蓮聖人と時空を超えた心の対話ができる場所」をコンセプトに、椎名純建築事務所(東京都)が設計し、松井建設(株)東京支店が施工。
日蓮聖人像を奉り参拝できる六角堂、日蓮ゆかりの資料が並ぶ展示室を設け、日蓮聖人を広く知ってもらえるような拠点づくりを目指す。神奈川県第2部宗務所所長の楠山泰道住職(73/横須賀・大明寺)は、「多くの人々に訪れてもらい、観光スポットのひとつになっていけば」と期待を寄せる。
利用開始は年明け
自然災害や争乱が多く起きた鎌倉時代、人々の苦しみを取り除き、社会全体が幸せになるように願った宗祖・日蓮聖人。千葉県安房郡小湊で生まれ、若かりし頃に初めて布教活動を行った地が、鎌倉の辻説法跡と言われている。
全国5300カ所の日蓮宗の寺院を除き、布教施設が造られるのは今回が初めて。
11月下旬の完成を見込み、12月上旬に落慶式を開催。施設の一般利用は、来年1月からを予定する。
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