清泉女学院中学校・高等学校の音楽部が「第74回全日本合唱コンクール全国大会」(10/30・31、大分県)にそれぞれ出場し、共に金賞を受賞した。同校では全国大会で中学・高校が同時に金賞を受賞したのは2年ぶり。また、「第88回NHK全国学校音楽コンクール」(11/6・7、府中市)でも、中学校の部で優良賞、高等学校の部で銅賞を獲得。
「ほっとしました」。中学校音楽部の副部長・田村莉子さん(中3)は金賞を受賞した瞬間の気持ちをこう話す。また、「先輩たちからのバトンを受け取れた」とも感じた。昨年、感染症拡大のためコンクールは軒並み中止。中高あわせて25回の出場実績を持つ同校でも、1年間のブランクはとても大きかった。
今回、全日本のステージに立った中学2、3年生37人のうち、全国を経験しているのは中学1年のときに出場した7人だけ。「練習も思うようにできず、大会前は不安と焦りしかなかった」と練習リーダーの崎村優奏さん(中3)。互いに電話をつないで練習したり、自宅で動画を見ながら指導を受けたりしたが、自信を持てずにいた。
部長の森元乃さん(中3)は、「自分たちに足りないところを話し合い、コロナ下で隣の人の声も聞こえない状況で、技術も気持ちもみんなで確認してきた。こういう状況だったからこそ、今までよりも互いを意識した。今回は団結力でいい結果になった」と振り返った。
「つなげられた」
高校音楽部は金賞の中でも大分県教育委員会賞を受賞。「最高の演技ができた。やりきったという思いが強い」とパートリーダーの林明香里さん(高2)。誰よりも応援してくれたのは一つ上の先輩だったという。昨年は中止だったため、全日本のステージは踏めなかった。「先輩たちが歌う予定だった曲を、全日本に持って行けた。当日は先輩と一緒にステージに立っている思いだった」とパートリーダーの丸山沙樹さん(高2)。
同校音楽部は『清泉サウンド』と評され、中高それぞれ全国大会に常連として名を連ねてきた。コロナ下で生徒たちが心配したのは、受け継がれてきた技術や考え方の断絶だった。「いい音楽を作るのに、先輩も後輩もない。課題を切磋琢磨して一緒に乗り越えてきた。『みんなでつくる音楽』を先輩から受け継ぎ、後輩につなぐことができた。中学からの5年間、先生や先輩、後輩に感謝しかない」と飯田佳純さん(高2)。
指導する佐藤美紀子教諭は「中学生は基礎がない状況だったが、この数カ月で精神的、音楽的にも頼もしくなった。高校生は、学年によって色があり、昨年より優しい雰囲気の年だった。それぞれが持ち味を出して結果も得られたのはうれしい」と話した。
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