極楽寺(田中密敬住職)で11月3日、開基・北条重時の法要が行われた。
重時(1198〜1261)は、鎌倉幕府2代執権・北条義時の3男で、六波羅探題として17年間にわたり京都の最高責任者を務めた後に鎌倉に戻り、連署として幕府を支えた。3代執権の泰時から5代執権の時頼を補佐して幕政を主導し、幕府の安定に大きく寄与した。
重時は晩年、出家し、当時は行き場を失った人や死骸が遺棄された「地獄」というべき場所に、寺院を移した。これが極楽寺の始まりと言われている。重時没後の1267年に、真言律宗の僧・忍性が同寺に入り、開山した。
同寺では、重時を本願(寺院などを創立した人)として、11月3日の命日を本願忌とし供養する。宝篋印塔(ほうきょういんとう)の形の墓は忍性と同じ敷地に置かれ、現在は非公開。
墓前や本堂で行われる法要も非公開だが、今回は鎌倉市観光協会の働きかけもあり、一部に公開した。田中住職は「重時様は、現代にも通じる『六波羅殿御家訓』や『極楽寺殿御消息』などを残し、子どもたちに世の中についての心得を説いた。来年は大河ドラマもあり、今後は観光協会などと協力して、墓などを期間限定で公開できれば」としている。
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