自宅から遠隔操作で接客
多様性を認め、すべての人が自分らしく暮らすことのできる社会-。共生社会の実現を目指す鎌倉市は、障害者の在宅就労の可能性を探るため、「遠隔操作ロボットの活用に関する協定」を(株)オリィ研究所(東京都)と4月18日に締結した。
外出や就労が難しい障害者の、遠隔操作ロボットを通じた在宅就労を推進する今回の協定。鶴岡八幡宮境内の大河ドラマ館で開かれた協定式では、オリィが開発した遠隔操作ロボット「OriHime(オリヒメ)」によるデモンストレーションも披露された。
島根県で車いす生活を送る女性が、自宅のパソコンでロボットを操作し、ドラマ館の来場者を想定して接客した。みやげ品を説明する女性と来場者がロボットを通して会話するだけでなく、操作によってロボットの手を上げ下げしたり、うなずいたりして感情も表現。ロボットが女性の分身として、ドラマ館のスタッフとなった。
その様子を見た松尾崇市長は「障害者雇用に向けて大きな可能性を感じる」と言い、「テクノロジーを駆使して、今まで諦めていたことができるようになる社会になれば」と期待を寄せた。
ドラマ館に設置し12月まで実証実験
市は実証実験として、ロボットを5月9日から12月までドラマ館物販コーナーに設置。外出などが困難な障害者がロボットを操作し、実際の来場者へ接客。在宅就労の効果や課題を検証し、施策立案の参考とする。
市は2019年4月に共生社会の実現を目指す条例を施行し、障害者雇用2000人を目標に掲げている。
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