日本の記念日に、「鎌倉作務衣の日」が新たに加わった。作務衣(さむえ)の語呂から3月6日に。「鎌倉シャツ」の愛称で親しまれるアパレルメーカーのメーカーズシャツ鎌倉株式会社(雪ノ下)が、(一社)日本記念日協会に申請し、5月末に認定された。同社は作務衣の販売を拡充し、記念日にはイベントを開催するなどして、鎌倉から日本伝統のファッションを広めていきたい考えだ。
禅宗の僧侶が作業着として日常的に身に着ける「作務衣」。Yシャツやスーツといった洋服が本業のメーカーズシャツ鎌倉だが、2020年、同社・貞末哲兵副社長(44)が浄智寺(山ノ内)の朝比奈惠温住職(58)から言われた一言が、作務衣づくりに挑戦するきっかけとなった。
「いい作務衣を探している。お宅で作ってくれないか?」
洋服メーカーによる和服づくりに一抹の不安もあったという貞末副社長だが、「うちらしくスタイリッシュなものを作ろう」と作務衣づくりに着手。サイズ感や素材、ポケットの数や位置などに考えを巡らせながら、浄智寺をはじめとする寺院にサンプルを幾度も持ち込み、修正を繰り返した。1年がかりで完成した商品は、昨年10月の発売から2週間で、用意した750着が完売。男女兼用、色は紺とグレー、素材もリネン(麻)、デニム地、オックスフォードの3種類を揃え、今春から同社サイトで予約販売している。
”鎌倉の服”へ
「作務衣は1度着てみると楽なんです。そして、ちゃんとして見える」。今では普段着となった貞末副社長が、作務衣文化を広めたいと記念日認定に向けて協会へ申請。審査会で合格し、現在およそ2200ある記念日に加わった。
浄智寺の朝比奈住職は「(鎌倉シャツの作務衣を)常用していますよ。記念日にもなり市民権を得てきたかな」。貞末副社長も「”鎌倉の服”として広がっていけばうれしいですね」と頬を緩ませた。
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