スポーツ庁は6月、中学校の運動部を来年度からの3年間で、地域へ移行していく方針を明らかにした。顧問の負担軽減など学校の働き方改革を推進する地域移行。導入を前に、鎌倉市内ではバスケットボールクラブ「カマクラソルマール」(上林(かんばやし)裕和代表)が先駆的な取り組みを始めている。
中学校の部活動は、休日の練習指導や大会運営などで教員の負担が大きく、競技経験のない教員が指導せざるを得ないケースも起きている。また、少子化により部活数の減少が学校内で起き、存続自体も危ぶまれている。現状を踏まえてスポーツ庁は、来年度からの3年間で、民間のクラブや団体などに「地域移行」することを提げ、休日の部活動から段階的に進めていく。
来年度からの地域移行に先駆けて、1年前から市内で活動するのが「カマクラソルマール」。男子16人、女子6人の中学生が在籍し、週に2日、2時間の練習を行うバスケットクラブチームである。指導者は、会社員や元教員、教員の教え子の大学生など、主に地域のバスケット経験者。さらに週に1度、プロチームを指導する外部コーチも加わり、レベルの高い練習環境を整えている。
部活動は現在、教員の負担軽減などを目的に、平日と土日に各1日以上の休養日が設定されている。同クラブは、その減少した活動時間を補う役割を担い、競技力を高めたい中学生のニーズにも応えている。
同クラブの小黒麻央さん(岩瀬中3年)は「レベルの高い指導を受けられる」と語り、菅原竜史さん(手広中3年)も「いろんな学校の選手が揃い、お互いに高め合える」と練習に充実感を見せた。
課題や懸念も
地域移行について、市教育指導課は「部活動と地域クラブの両方に所属するため、チームワークの醸成がより難しくなる」と課題を指摘する。「連携を徹底することが重要」と訴える。
また、地域クラブが盛んなのは、野球のシニアリーグやサッカーのジュニアユースなどのメジャー競技が中心。地域クラブが現状存在しない競技も多くあり、地域移行の受け皿がなかったり、クラブを求めて遠出を余儀なくされることも懸念される。
学校を超えたつながりや、選択する幅の広がりが期待される地域移行。運用に向けた準備がこれから進んでいく。
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