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大船中央病院に聞く 患者に寄り添う乳がん治療 乳房の整容性を保つために
女性が患うがんの中で最も多いのが「乳がん」。2019年に国立がん研究センターが発表した「累積がん罹患リスク」によると、日本人女性が乳がんを罹患する確率は11・2%。9人に1人が発症の恐れがある。
「なるべく患者さんの希望に添えるよう、切除は最小限に」。そう話すのは、同院乳腺センターの大渕徹医師だ。手術では、切除部分を最小限に抑え、副作用の少ない放射線治療などを効果的に活用し、できるだけ乳房を傷つけないようにする。再発リスクを抑えながら、患者の要望に応える治療を目指している。
切除を最小限に
同院で、以前から力を入れているのが「乳房温存療法」だ。乳房を部分的に切除し、残された乳房に放射線を照射することで再発を予防する。これにより、切除で引き起こされる変形やゆがみを抑え、乳房の「整容性」を保っていく。
同院の乳腺センターは、乳房温存療法にいち早く取り組み、豊富な経験と実績を持つ。腫瘍を取り残すリスクを避けて全切除を選ぶ医師も多いが、大渕医師は「腫瘍のあるところだけを過不足なく取る」と語り、手術の規模が小さくなるように努めている。
また、「リンパ節をなるべく取らない手術」も積極的に行っている。治療前に乳がんのリンパ節転移が明らかであれば、脇の下のリンパ節をまとめて切除するのが一般的。しかし、腕のむくみや肩関節の動きが制限されるなど、後遺症が残る恐れもある。「手術前の抗がん剤投与でリンパ節転移を縮小し、放射線照射の併用で、最低限のリンパ節切除にとどめていきます」(大渕医師)
違和感あれば相談を
乳がんは、早期の発見で治癒の可能性が高まるだけでなく、治療の選択の幅もひろがる。大渕医師は、「手で触った時に感じる硬いしこりや、乳首から出血の症状がある場合は、相談しましょう」と警鐘を鳴らす。
乳がん治療に力を入れてきた同院は、形成外科や放射線治療センターとも連携し、最善の治療法を提案する。「症状や状況は患者さんによって異なります。これまでの経験や培ったノウハウをもとに、患者さんに適した治療法を選択していきます」(大渕医師)
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