すっと背筋を伸ばし、妻の体をやさしく支える。夫のリードに妻は身を委ね、自然と笑みがこぼれる。廣井信義さん(68)・晶子さん(60)にとって、社交ダンスは夫婦の絆を深める欠かせないものだ。
大船の社交ダンスウェア専門店「アリス」を経営する2人。11月13日には、60歳以上のスポーツ交流大会「ねんりんピック」のダンス競技(会場・川崎市)に神奈川代表として初出場し、団体戦で銅メダルを獲得した。大会1カ月前の練習で足を負傷し、完治しないまま臨んだ信義さんは、「妻が助けてくれたのでリラックスして踊れた」と語り、傍らの晶子さんは「上出来!」と笑みを夫へ向けた。
2人を結びつけたのも、社交ダンスだった。
晶子さんは1996年の映画『Shallwe ダンス?』の鑑賞をきっかけに、自宅から近かった逗子市内のサークルで社交ダンスを始める。
一方、一般企業の営業マンとして働いていた信義さんは、偶然にも晶子さんが通うサークルのメンバーたちから大型の契約。そのお返しにとサークルへ体験に行き、そのまま加入へ。そこで晶子さんと出会い、今では結婚歴、ペア歴ともに20年を超えた。
週2〜3回練習に励む社交ダンスを、信義さんは「相互理解、助け合いのスポーツ。本当に息が合わないとできない」と言い、晶子さんは「おかげで普段も仲がいい」と頬を緩める。
廣井夫妻は、地元・神川開催のねんりんピックの総合開会式で、選手宣誓の大役も担った。「希望に満ちた夢を乗せて、最高の笑顔を咲かせることを誓います」-。その言葉通り、2人は生涯スポーツとして取り組む社交ダンスで華麗なステップを踏み続ける。
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