8年前から共同住宅と一体計画
由比ガ浜4丁目のテニスクラブ跡地に計画されていた商業施設を巡り、民間事業者が開発を断念する見通しとなった。敷地内北側の商業施設部分を担っていた大和ハウスリアルティマネジメント株式会社(東京都/旧大和情報サービス)が2月18日、周辺住民へ報告した。これにより、敷地内南側で共同住宅を予定していたNTT都市開発株式会社(東京都)との一体計画も、見直しとなる。
大和ハウスリアルティマネジメントによる商業施設と、NTT都市開発が手がける共同住宅が計画されていたのは、鎌倉海浜公園由比ガ浜地区に隣接し2010年までテニスコートだった約1万7000平方メートルの土地。事業者が2015年に市へ提出した計画では、北側にスーパーなどが入る地上2階建て商業施設、南側に3階建ての共同住宅を予定。しかし周辺住民からは、商業施設による渋滞懸念や、土地の活用法などで計画の見直しを求める声があがっていた。
18日に市役所で開かれた事業者、自治会、市による3者協議の場で、大和ハウスリアルティマネジメントは、「商業施設の開発を断念することを決定した」と報告。理由として、渋滞問題の解消などを含め「許認可の取得が難しい」とし、事業から撤退することを明らかにした。
敷地全体で再検討へ
同社が商業施設の開発を断念したことにより、NTT都市開発との一体計画はこれから市へ廃止届が出される。今後についてNTT都市開発は、商業施設を予定していた北側部分も含めた敷地全体で共同住宅を軸に再検討していく。
計画見直しを訴えていた住民は、予定地が戦前に鎌倉海浜ホテルとして街の発展に寄与した場所であることに触れ「これまでの経緯を踏まえ検討してほしい」と話した。
テニスクラブ跡地を巡っては、2014年、当時の大和情報サービスが大型商業施設のみの計画で開発に関する届出書を市へ提出。これを受けて市議会が、渋滞解消や防災救急体制への懸念が払拭されない限り、市に計画を認可しないよう求める決議を可決。翌15年に大和情報サービスは当初の計画を廃止し、NTT都市開発とともに商業施設・共同住宅の新たな計画を届出していた。
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