マスクの着用を「求めない」卒業式が県立高校で行われた。3月2日に開催した深沢高校(手広)では、入場時からマスクを外している人、呼名の時だけ外す人、終始外さない人とさまざま。コロナ禍で制限された3年間の区切りの日に、「せっかくだから、最後くらいは外そう」と話し、門出の日を素顔で迎えられた喜びを語る生徒もいた。
県教育委員会は、2月に出された文部科学省の通知を踏まえて、県立学校の卒業式での対応を決定。換気等の基本的な感染防止対策を徹底した上で、卒業生は式典全体を通じてマスクの着用を求めないとした。ただし、歌唱の際は、間隔を空け、着用を促すとした。
友人の素顔は「写真の中で」
今年度の深沢高校の卒業生は、マスクをしていることが当たり前の高校生活を送ってきた。入学直後は、一斉休校による自宅学習が続き、6月に分散登校が始まった。2年生で行く予定だった修学旅行は2度延期し、行き先も変えて3年時の4月に実施した。
仲の良い友人は別としても、「クラスメイトの素顔は、マスクを外して撮った集合写真の中で見るくらいです」と話したのは、小沼美月さん(3年)。体育の授業では夏でも、部活動の練習中では「本番のために我慢」し、暑くても息苦しさがあっても、マスクの着用を続けてきたという。
クラスで分かれたマスク着用率
マスクの着用を個々の判断に委ねた卒業式。深沢高校では、入場の際、大半が着用しているクラスもあれば、ほとんどが素顔のクラスもあった。「私のクラスでは『せっかくだから、最後くらいは外そうよ』という声が上がりました。もちろん着けたい人はそのままでいいよ」と小沼さん。
マスクを着用して入場した生徒の多くは、卒業証書授与の際、名前を呼ばれ起立した時だけ外し、保護者に晴れ姿を見せていた。
前生徒会長の奥脇拓海さん(3年)も呼名時に外し、素顔のまま過ごした。卒業生代表の言葉では、体育祭や文化祭などの行事が中止になったり、例年と異なる形に変更した思い出を語った。
式を終え、奥脇さんは「制限下でも皆で工夫しながら、楽しんできた。マスクなしの卒業式が迎えられるとは」と清々しい表情で語った。
鎌倉市立小中学校でも、市教委は卒業生にマスク着用を求めないとしている。
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