鎌倉市は5月31日、2022年1〜12月に市内を訪れた観光客の推定延べ人数が1195万8314人だったと発表した。新型コロナの影響を強く受けた21年の約656万人を上回り、前年比約82%増となった。入国制限撤廃やNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』などが要因とみられる。
コロナ前の6割程度
22年は、10月に国内旅行の宿泊代金などを補助する「全国旅行支援」が始まった。さらに、入国者数の上限が撤廃され、個人の外国人旅行客の受け入れが解禁になり、鎌倉市内でも外国人観光客の姿が前年よりも多く見られるようになった。市によれば、定点調査を行っている26の施設・寺社など、すべての場所で観光客数が前年を上回った。
特に伸び率が高かったのが、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に関連した場所だ。「鎌倉殿」ゆかりの地であり、物語の世界観を楽しめる大河ドラマ館が設置された「鶴岡八幡宮」は前年2倍の約586万人が訪れた。
さらに、ドラマ館のパンフレット持参で入場が無料となり、北条氏展などの企画も行っていた鎌倉国宝館は前年比5倍の9万2千人、同じく鎌倉歴史文化交流館は前年比2・4倍の3万6千人と大幅に増加した。
コロナ前の来場者数は、国宝館が4万人台、歴史文化交流館が1万数千人だったことを踏まえると、「大河ドラマの影響が非常に大きかった」と市観光課は分析する。
オーバーツーリズム対策も今後継続
総数が前年比182%とはいえ、2千万人前後だったコロナ前と比べると6割程度。「海外からの観光客をはじめ、まだまだ戻ってくると予想される。オーバーツーリズム対策が必要」と同課。
23年のゴールデンウィークには、混雑する小町通り周辺の交差点に誘導員を配置。ごみのポイ捨て防止のため、小町通りの店に対し、店での回収やごみ箱設置の協力を呼びかけるなどの事前対策も行った。「今後も人が多く訪れるタイミングには、関係各所とも連携し、対策を続けていく」(同課)
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