聴覚に障がいのある人たちが世界一を争う「第4回ろう者サッカー世界選手権大会(デフサッカーワールドカップ)」に、鎌倉インターナショナルFCに所属する吉野勇樹さん(31)が日本代表として出場する。マレーシアで9月23日に開幕する大会を前に、吉野さんは「日の丸を背負って戦える喜びを噛み締めながら、ベストを尽くしたい」と語る。
デフサッカーの試合は、通常と同じ11対11で対戦し、ピッチ上で選手たちはアイコンタクトや手話でコミュニケーションを取る。吉野さんは10代からデフサッカー日本代表に選出され、W杯は2016年に続いて2回目の出場となる。攻守の中心となるミッドフィルダーの吉野さんには、特に攻撃面での期待が寄せられている。
日本代表は、予選リーグでウクライナ(23日)、アメリカ(25日)、ガボン(27日)と対戦。予選を突破すると、決勝トーナメントが控える。吉野さんは「メダルを目指したい」と目標を掲げ、日本代表として初の快挙に挑む。
代表チームけん引
生まれつき難聴の吉野さんは、サッカー好きの両親の影響で6歳からフットサルを始めた。サッカーに転向したのは中学から。横浜の岡津中学校ではサッカー部へ入部し、汗を流した。筑波技術大学や都内のサッカーチームを経て、3年前から鎌倉インテルへ。「耳が聞こえない選手が他の人たちに混じってプレーしていたから」とインテルを選んだ理由をあげ、セレクションを受けてメンバーに加わった。
インテルでは、トップチームではなく、神奈川県の社会人リーグ3部で戦うチームに在籍。平日の昼間は都内の保険会社で働き、火曜は仕事帰りの夜8時から、木曜は9時から1時間半の練習に励み、週末はリーグ戦を戦っている。
吉野さんは今年で31歳となり、日本代表ではベテランの域にさしかかる。「国際経験のない選手も多いので、みんなを引っ張っていきたい」。ドリブルから得点に直結するパスや、前線に飛び出してのシュートなど、得意の攻撃で代表をけん引する。
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