最大震度7を観測し、石川県を中心に甚大な被害をもたらした能登半島地震。鎌倉市では地震発生を受け、消防隊員と市職員の現場派遣や支援物資の提供、募金活動の実施などにより、被災地を支援している。東日本大震災の発生から13年となる今月、被災地で支援活動を行った消防本部の森勇樹さん(46)、山口次郎さん(36)、長谷川駿さん(31)、小澤祐貴さん(27)と、市総合防災課の小林伸生さん(41)に話を聞いた。
市消防「地域のつながり強固に」
――市消防本部のみなさんは、被災地でどんな活動をしましたか?
神奈川県大隊の一員として、1月9日から31日まで延べ41人の消防隊員を派遣し、主に石川県輪島市の土砂災害現場で行方不明者を捜索しました。現場へ向かう最中は、電柱の倒壊や道路陥没が至るところで起き、まともに進めないような状況でした。地震発生から日数が経ってからの被災地入りでしたが、1人でも多くの方を助け、亡くなった方をいち早く遺族のもとに戻したいという思いで活動しました。
季節ごとに入れ替え
――現場の状況を見て、防災意識の変化はありましたか?
水の確保が重要だと感じました。飲料水だけでなく、トイレや手洗いなど生活用水としても欠かせません。また自宅に常備している防災バッグは、水や乾パン、チョコなど賞味期限が切れるタイミングで入れ替えていますが、今回の経験を踏まえて防寒用の毛布を追加しました。夏はウェットティッシュを入れるなど季節ごとにも入れ替えようと思っています。
――市民にお願いしたいことは?
鎌倉市内で大規模災害が発生すると、119番がつながりにくい状況が想定され、つながったとしてもすぐに現場に急行できない可能性があります。近所同士のつながりを強固にし、今のうちに家族間で話し合っておくことで、災害に備えてほしいです。
総合防災課「支援を受け入れる体制を」
――市総合防災課の小林さんは、現場でどんな活動をしましたか?
神奈川県からの要請を受け、1月19日から26日まで石川県羽咋(はくい)郡志賀町富来支所で、支援物資の受け入れと仕分け作業を行いました。鎌倉市では、これまでに職員7人を現地に派遣し、3月8日現在も1人が、住家の被害認定調査のため現地で活動しています。
――課題に感じることはありましたか?
食料がまんべんなく届いている印象でしたが、
中には甘いものや油っこいものも含まれていて、高齢者にとっては高カロリーなのではと感じました。消防隊員も挙げていますが、水の確保は重要です。現地では給水タンクの残量を確認しながら、大切に使っていました。
データ共有に苦戦
――現地での情報共有はどうでしたか?
支援物資の個数をスマートフォンを使って職員間で共有しましたが、画面が小さいため確認に手間取りました。一目でわかるような工夫と膨大な情報が整理されていると、より迅速な対応ができるようになると感じました。
――今回の派遣された経験をどう生かしたいですか?
被災された方は大変な思いをされているのに、私たちを歓迎してくれて「ありがとう」と言ってくれたのがうれしかったです。鎌倉で災害が発生した時は、逆に支援を受ける側になりますが、災害時でも支援者をスムーズに受け入れられる体制を整えておくことが大切だと感じました。
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