鎌倉市は、「ペット同行避難ガイドライン」を初めて策定し、3月15日から市ウェブサイトで公開を開始した。ガイドラインには、しつけや健康管理、ペット用品の備蓄など、日頃の備えのチェックリストを添えて掲載。避難所での受け入れには、飼育用品の持参、犬鑑札の装着、ケージやリードの利用などの条件がある。
ガイドラインでは、犬や猫などの小型の哺乳類と鳥類を対象に、ペットと共に安全な場所まで避難するための飼い主の心得や備えを示している。
策定のきっかけの1つが2019年の台風19号。避難所が開設された16校中10校に、複数の市民が犬や猫を連れて避難。当時は各避難所を開設した市職員の判断で、滞在場所を分けるなどして対応した。
市への登録が必要とされている犬は、23年末時点で9983頭。登録が不要な猫は、1万頭を超えると推定される。
今回策定したガイドラインでは、市立小中学校25校に設けられる指定避難所(ミニ防災拠点)へのペット避難は、動物アレルギー対策の観点から基本的に屋外での飼育としている。知人宅やペットホテルなど、「被災状況に応じて避難先の選択を」と市は呼びかける。
しつけと健康管理
日頃の備えとして、市が挙げているのがしつけや健康管理。ペットがケージやキャリーバッグに慣れている、人や動物を怖がらない、むやみにほえないなど、他人への迷惑を防ぎペット自身のストレスも軽減できるためとする。
健康面では、狂犬病予防注射や各種ワクチン接種などの必要性を明記。迷子防止策には、マイクロチップ装着が有効と紹介している。
人と同じく、ペットにも災害時を想定した備蓄が必要。飼育に必要なフードや水、排泄用品は7日分以上を目安に、療法食や薬が必要な場合はさらに長期間を想定した備えを呼びかける。
鑑札やケージが条件
避難所への避難の際、小型ペットはケージやキャリーバッグ、大型犬などは伸縮性のないリードが必須。飼育用品の持参も必要で、犬の場合は鑑札と狂犬病予防注射済票の装着が受け入れ条件となっている(疾病などで受けられない場合は、猶予証明書を提示)。
「まずは事前準備を」
市総合防災課は「避難所の受け入れ条件や備蓄品も重要だが、災害が起きてから避難先や経路などを探す時間はない。ハザードマップなどを事前に確認してほしい」と話す。ガイドラインは市ウェブサイトで閲覧可能。啓発チラシでの周知も今後行っていく予定。
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