市役所の深沢地区移転を巡り、鎌倉市は7月8日、新庁舎の基本設計に参加申請した4者の提案概要書を公表し、本庁舎1階や市ホームページなどでの展示を開始した。提案概要書は、4者が考案した新庁舎のアイデアを図や言葉で具体化したもので、7月22日から市民意見を募る。
鎌倉市は今年4月、新庁舎のイメージを具体化することを目的に、基本設計者の公募を開始。その結果、共同企業体を含む4者からの参加申請があった。
4者それぞれが作成した提案概要書に記されているのは、新庁舎のイメージ。建物のコンセプトや具体的な使用方法などが1枚の用紙にまとめられている。
概要書は市役所ロビー1階と各支所、生涯学習センターで9月2日まで展示し、市ホームページでも掲載している。事業者の概要書に対しては、今月22日〜8月21日に市民意見を募集し、審査や基本設計に生かしていく。概要書をもとに、7月30日には一次審査を実施。業者の最終決定は今年10月頃の予定で、2026年2月までに基本設計業務を完了する見込み。
市長「必要な手続き」
基本設計の業者選定が進んでいく一方で、市議会での可決が必要となる「鎌倉市役所の位置を定める条例の一部を改正する条例」の再提出見送りが続く鎌倉市。松尾崇市長は2日の定例会見で、「新庁舎のイメージを理解してもらうためにも、基本設計は必要な手続き」と述べた。位置条例案の提出時期については未定とし、「確実に可決できる段階で提出したい」と話した。
市民146人が監査請求
市役所の移転計画に反対する市民団体・鎌倉市民連絡会議に所属する市民146人は7月3日、新庁舎の基本設計にかかる費用が公金の不正支出だとして、住民監査請求書を提出した。松尾市長に対し、措置を求めている。
住民監査請求は、市の財務に関する行為について必要な措置を講じるように求める制度。請求では、2024年度予算に含まれている新庁舎の基本設計費約2・9億円に加え、設計者選定審査会の委員報酬と交通費の約25万円を差し止めることを訴えている。請求人代表の岩田薫さんは、「位置条例改正案が否決されている状況の中で、新庁舎を建てることを前提にした予算は看過できない」と語った。
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