市役所の深沢地区移転を巡り、市議会での可決が必要となる「鎌倉市役所の位置を定める条例の一部を改正する条例」の再提出見送りが続く鎌倉市。本庁舎や各支所、市ホームページなどで、7月上旬から展示が始まった新庁舎の基本設計に関する提案概要書には、さまざまな意見が寄せられている。
展示中の提案概要書は、鎌倉市が新庁舎のイメージを具体化することを目的に、今年4月の基本設計者の公募手続きに参加申請した4者が作成したもの。建物のコンセプトや具体的な使用事例などが1枚の用紙にまとめられ、市民らが4者の提案書に対し、付箋を用いて自由に意見を書き込めるようになっている。
募集する意見は、「いいと思ったところ」と「もっと知りたいところ」。7月22日の意見受付から10日が経ち、市民からは「防災について学べる」、「建物内の導線が考えられている」、「階によって用途が明確で使いやすそう」などの書き込みがあった。知りたい内容は、庁舎のエネルギー効率や夏場の暑さ対策、デジタル技術の活用方法など。一方で、新庁舎の移転そのものに反対する声も寄せられている。
市民意見は8月21日まで募集。基本設計の業者選定は8月5日に一次審査の結果が公表され、9月の二次審査を経て、10月頃に決定する。
予算停止へ意見陳述
7月29日には、市役所の移転に反対し、基本設計費など約3億円の差し止めを求める市民11人による意見陳述が、市役所で行われた。
予算執行の停止を求める住民監査請求は、7月3日と5日に計153人から2件提出。29日の意見陳述では、請求人から「位置条例案が否決された状態で、基本設計の予算を計上する行為そのものが不当」、「津波の被害が想定される場所と距離があり、防災拠点としても不適切」、「移転予定地が洪水浸水想定区域で、災害時の液状化現象も懸念される」などの意見が出た。
市監査委員事務局は、請求日の翌日から60日以内に内容を審査し、結果を公表するとしている。
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