神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
鎌倉版 公開:2024年8月16日 エリアトップへ

鎌倉のとっておき 〈第168回〉 古都の縁(鎌倉と京都)―夢窓疎石の庭園(瑞泉寺と西芳寺、天龍寺)―

公開:2024年8月16日

  • X
  • LINE
  • hatena
瑞泉寺庭園
瑞泉寺庭園

 二階堂の瑞泉寺は、夢窓疎石が開いた臨済宗(円覚寺派)のお寺で、鎌倉公方の菩提寺として栄え、関東十刹第一位の格式を誇った名刹である。1327年(嘉暦2年)、幕府の御家人二階堂道蘊(貞藤)が夢窓疎石のために建立した瑞泉院に始まるといわれ、初代鎌倉公方の足利基氏が中興して瑞泉寺とした。

 瑞泉寺は「花の寺」として知られ、四季それぞれに境内に美しい花が咲く。スイセンに始まり、市指定天然記念物のオウバイをはじめ、各種の梅が楽しめる。その後、サクラ、アジサイ、フヨウの花と続く。また境内には紅葉の名所「紅葉ヶ谷」があり、秋には紅葉狩りを楽しめる。

 瑞泉寺の仏殿背後には国の名勝に指定されている庭園がある。この庭園は、1970年(昭和45年)から翌年の発掘調査によって復元されたもので、岩盤をくり抜いた岩の庭は夢窓疎石の作庭である。岩盤の正面には水月観の道場としての「天女洞」が、東側には坐禅のための「坐禅窟」が掘られている。前面の貯清池には島が設けられ、橋が架けられている。この橋を渡り岩壁に設けられた十八曲と呼ばれる登山路の上には、かつて夢窓疎石が建てたという偏界一覧亭があり、五山文学の中心地であった。

 夢窓疎石は瑞泉寺庭園を作庭した後、京都に西芳寺(苔寺)庭園、天龍寺庭園を作庭する。「岩庭」と呼ぶべきこの瑞泉寺庭園は書院庭園のさきがけをなすもので、世界遺産の西芳寺、天龍寺の庭園の原点と思うととても興味深い。 山東直大

鎌倉版のコラム最新6

かまくら花めぐり(長谷寺:盛夏から)

鎌倉のとっておき 〈第174回〉

かまくら花めぐり(長谷寺:盛夏から)

11月15日

鎌倉公方ゆかりの寺院(瑞泉寺、別願寺)

鎌倉のとっておき 〈第173回〉

鎌倉公方ゆかりの寺院(瑞泉寺、別願寺)

10月25日

私の幸福(しあわせ)時間 神奈川編

鎌倉淡水魚紀行 2024特別編【2】

私の幸福(しあわせ)時間 神奈川編

〜番組を終えて〜

10月18日

かまくら花めぐり(長谷寺:陽春から)

鎌倉のとっておき 〈第172回〉

かまくら花めぐり(長谷寺:陽春から)

9月27日

足利尊氏ゆかりの寺院(長壽寺、覚園寺)

鎌倉のとっておき 〈第171回〉

足利尊氏ゆかりの寺院(長壽寺、覚園寺)

9月13日

かまくら花めぐり(長谷寺:初春から)

鎌倉のとっておき 〈第170回〉

かまくら花めぐり(長谷寺:初春から)

9月6日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月22日0:00更新

  • 8月20日0:00更新

  • 7月16日0:00更新

鎌倉版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

鎌倉版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年11月24日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook