市役所の深沢地区移転計画を巡り、鎌倉市は10月3日、新庁舎の基本設計を進める事業者に、(株)日建設計が選ばれたと発表した。新庁舎のイメージを具体化することを目的に、今年4月に基本設計者を公募した鎌倉市。共同企業体を含む4者が応募し、プレゼンテーションなど2回の選考を経て、同社を最優秀提案者とした。
日建設計が、新庁舎のコンセプトに掲げたのは、「ひとつながりの未来の庁舎『鎌倉ONE』」。DX(デジタルトランスフォーメーション)化を段階的に進めることで、市庁舎の役割を「手続きの場」から「集う場」に変化させ、1階の交流スペースを多目的に活動する市民が共存できるようにした。
2次選考のプレゼンテーションでは、大学教授ら8人が審査。日建設計は、810点満点中641・7点で1位となった。市は「ハード、ソフト、DXの一体化や汎用性の高いオフィス空間、共用空間のバランスがとれた提案」と評価した。2位は内藤廣・松田平田設計共同企業体で604・4点だった。
市は今後、日建設計と11月に仮契約を結び、12月議会での議決後に本契約を結ぶ予定。来年2月以降には、市民向けの説明会やワークショップも企画する。
事業者選定も移転見通せず
新庁舎の設計事業者が決定する一方で、市役所の深沢地区への移転に必要な「位置条例改正案」が、2022年12月議会で否決され、移転の見通しが立っていない。松尾崇市長は3日の定例会見で、「市が目指していることを理解してもらい、一緒に考える機会になれば」と述べ、新庁舎の基本設計業務を進めることを説明した。
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