鎌倉市は10月29日、「一人の100歩より、100人の一歩が世界を変える」をキーワードに、街ぐるみでフェアトレード(立場の弱い生産者の労働環境等に配慮された商品取引)を推進する「鎌倉市フェアトレード宣言」を行った。これにより、市民等による推進組織「鎌倉エシカルラボ」が目指すフェアトレードタウン認定に一歩近づいた。
日々の買い物などの消費行動の中で、開発途上国の原料や製品を正当な価格で購入することで、立場の弱い生産者や労働者の生活改善と自立につながるフェアトレード。
鎌倉市では、市民等による推進組織「鎌倉エシカルラボ」が昨年5月に発足。国内では逗子市など6都市、世界2000超が認定を受けているフェアトレードタウンになることを目指し、普及啓発活動を行ってきた。8月には、地元メーカーともコラボし、途上国支援と鎌倉市のPRを兼ねたフェアトレードコーヒーを発売した。
29日の定例会見で松尾崇市長は、「推進することで、持続可能な社会の形成や国際課題の解決に貢献する。一人の100歩より、100人の一歩が世界を変えると信じ、街ぐるみで推進する」と宣言。また、「我々の消費行動が未来につながっていくという共通認識を持ち、社会全体をよりよくする輪を広げていけたら」と松尾市長は話した。
市では、昨年9月から市民らの推進活動に補助金を出しており、昨年度は3件、今年度は現時点で4件の活用があった。
また市議会では、10月2日に「フェアトレードの取組を広げる決議」が可決し、市議会としても推進を宣言した。
タウン認定申請
今回の宣言により、鎌倉エシカルラボが目指すフェアトレードタウン認定の世界基準の1つ、「自治体によるフェアトレードの支持と普及」を満たす。このほか、運動の展開や市民への啓発、地元の賛同企業等と連携した取り組み、フェアトレード産品を扱う店舗数が人口1万人あたり1店舗以上あることなどの基準は満たしている。10月末に(一社)日本フェアトレード・フォーラムに申請し、審査が順調であれば、今年度末ごろには認定される見込みだ。
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