和歌山県産の良質な木材である「紀州材」普及を目的に同県が開催している「わかやま木の家コンテスト」。このほど市内芹沢の甘粕工務店が同コンテスト「紀州材ベストユーザー賞」部門の大賞に選ばれた。
2009年から始まった同コンテスト。ベストユーザー賞は、和歌山県外で紀州材を活用する企業に与えられるもので、神奈川県内企業の大賞受賞は今回が初めてとなる。
鎌倉市内の建築現場。緑に囲まれて佇む民家風の建物は、現在同工務店が手がけている物件だ。柱などの構造材全てに紀州材を使用している。今年の夏に完成する予定の家屋を眺めながら「柱は100年から150年、梁は200年以上のものです。樹齢のある木材には神々しさを感じます」と話すのは、同社代表の甘粕栄一郎さん(69歳)。
高い強度を生む要素となる樹齢と適度な雨量、優れた国内産木材を求めると産地は限られるという。奈良県の吉野杉や秋田県の天然杉などと並び、優良材として扱われているのが紀州材だ。「基本的に建物の用途に応じて素材を選びますが、紀州材は木の味(木目や柄など)が良いですね」。
茶室の要素を踏まえた数奇屋(すきや)造りの住まいを中心に施工を行う同社。昭和初期に創業した先代から現在の2代目へ、「家造りで使う木材は総て手刻み手加工」という姿勢は変わらず受け継がれている。同社の施工は時間と手間が必要で、中には完成まで1年以上かけることも。現在では1年で約2棟を手がけている。
職人的な気質を保ちながら、現代的な感覚を取り入れている甘粕さん。これまでにイギリスの美術館での茶室建築やドイツでの鳥居造りなど、海外からの依頼も多い。甘粕さんは「住む人や使う人が求めるものを考えて、優れた木材での仕事を続けています」と話している。
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