心をつなぐ紙芝居の会 戦争の経験次世代へ 渡辺享子さんらが公演
8月15日の終戦記念日を前に、香川公民館で8月3日に東京大空襲を経験した紙芝居作家の渡辺享子さん(77)らが、戦争を次の世代の子どもたちに伝えていこうと、自作の紙芝居を披露した。
自らも幼い頃に東京大空襲を経験し、現在は紙芝居作家として活動する渡辺さんは、当時の様子をこう語る。「私は小学3年の時に疎開し、4年生の時に原爆投下、終戦を迎えました。広島の原爆で友人も亡くし、辛く苦しい思いもしました。この先、子どもたちにはあんな思いをさせたくないし、してほしくないですね」
全て実体験のストーリー
香川公民館には、この日親子など33人が参加。紙芝居は自身も所属する「心をつなぐ紙芝居の会」の森内直美代表と共に、実体験の話しを交えながら演じられた。「いのち、心、平和」をテーマにした渡辺さんの作品は全て自身の体験がストーリー化されている。
なかでもこの日、披露された「コスモス」には、自身が主人公となり空襲の時には、とっさに橋の下に逃げ込んだこと、いつも一緒に遊んでいた友人のゆきちゃんを疎開先の広島で原爆で失ったことなどが克明に描かれている。
公演中、渡辺さんは「アメリカ軍の大きな飛行機が頭の上をビューン、ビューンって飛んでいって私たちのような子どもでも容赦なく狙われたんだよ。今じゃ考えられないよね。どこの国でも戦争は絶対あってはいけないね」と語りかけ、子どもたちも真剣な表情で頷いていた。
参加者の声
凛太郎君(小4)、遼太郎君(小4)、希ちゃん(小1)の3人の子どもと一緒に参加した西野有紀子さんは「戦争経験者の方の生の声を聞ける機会が少なくなってきている今、私たち親の世代が子どもたちに伝えていかなくてはと思い参加しました。何でも食べられる平和な世の中になったことのありがたみを子どもたちにもわかってほしかったので、貴重な機会になりました」と話していた。子どもたちも「戦争は怖いと感じた。戦争はしちゃいけないし、これから僕たちが平和な日本にしたい」と話した。
渡辺さんと森内代表は「いのちについて今、改めて考えるときだと思います。私たちの紙芝居を次は皆さんが演じ手になってもらい、いのちを考え、その大切さを多くの人に広めていってほしいです」と語っていた。
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