市内の風景を連続4000日以上撮影し、茅ヶ崎市特別表彰を受賞した 高橋昭和(あきかず)さん 円蔵在住 73歳
熱血さん 西へ東へ
○…「この朝焼けは俺のものだ」。レンズ越しの海岸が鮮やかに映える。11年以上に渡り、毎朝シャッターを押し続ける熱血カメラマンが、茅ヶ崎市特別表彰を受賞した。茅ヶ崎海岸をはじめ、市内各所で4000日以上連続撮影を行っている。撮りたてホヤホヤの写真は、自身のホームページ「茅ヶ崎熱血情報」に掲載、午前中に毎日更新する。「茅ヶ崎って素敵」とベトナムからも声が寄せられる。
○…「人生の大転換期となったね」と言うのは、中学3年生の頃。郷土史家による課外授業で、茅ヶ崎の魅力にはまった。「それまでは勉強嫌いだったんだけど、本当に面白くて。日曜日でも参加したんだ」。野球に明け暮れていた少年が、初めて自らの意志で授業記録を残したいと思った。そしてそれは風景スケッチという行動となる。
○…しかしある日、7歳離れた兄がカメラを購入。こっそり使用したその瞬間、写真で風景をとらえる楽しさを知った。カメラ少年となるには日数はいらなかった。「内緒で借りたから、操作や構図は独学で学ぶしかなかったんだ」と当時を大笑い。被写体を追い求め、鳥の生態や潮の満ち引きまで頭の中に入っている。シャッターチャンスは逃さない。「『好きこそものの上手なれ』で必要だと思ったことはすぐに暗記できちゃうんだ」と絶え間ない努力を軽快に話す。
○…毎日撮影を続ける「熱血さん」は、近所でも有名。日の出の瞬間をおさめるため、逆算して午前1時に起床する時季もある。雨の日も風の日も、カメラ片手に自転車で市内を巡る。時にはカメラの故障や不具合で撮影したものが一瞬で消えてしまうことも。しかし「よし、もう1回行くか!!」と怯まず元気に家を出る。長年撮影で鍛えた足腰の強さは、高い志が土台となっているようだ。「1日でも止めたら、それで終わり。男のロマンにかけて止められないね」。今日も熱い意欲を掻き立てる。
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