国の文化庁文化審議会(馬渕明子会長)は11月17日、市内南湖の「旧南湖院第一病舎」を国の登録有形文化財(建造物)とするよう文部科学大臣に答申した。今年度末には登録される見通しだとし、正式な登録になれば、市内では3件目となる。
国の登録有形文化財制度は、原則50年を経過した歴史的建造物のうち地域の歴史や時代の特色など一定の評価を得たものを対象に登録し、建物の保存や地域資産としての活用を目的としている。今回、同病舎は文化庁から「療養地として知られた湘南に残る希少な明治期の結核病棟」という評価を受けた。
南湖院は1899年に医師の高田畊安が開設した結核療養施設。第十一まであった病舎のうち、第一病舎は開設当初の建造物の一つ。現存する南湖院に関わる建物としては最も古く、当時は畊安の母親の名から「竹子室」と呼ばれていた。
建物は木造2階建て。療養所らしく、窓を大きく設け、採光や風通しに配慮がされている。下見板張の外壁に上下窓、二階窓にはペディメントが飾られるなど、明治期の洋風意匠が多く取り入れられている。
「東洋一の結核療養施設(サナトリウム)」と称され、国木田独歩ら文化人や勝海舟夫人など著名人の家族が多く療養し、市の発展にも大きく寄与した南湖院。1945年に海軍によって全面買収されて解散し、戦後は米軍に接収された後、1957年に返還された。
南湖院記念太陽の郷庭園内にある第一病舎は2015年に市に寄贈され、現在、庭園と合わせ、定期的に外観の公開が行われている。また、他の活用方法についても調整が進み、利活用の基本方針(素案)が市ホームページなどで公開され、12月26日(火)までパブリックコメントを募集中。担当の市文化生涯学習課は「これを機により広く知ってもらえれば」と話した。
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