「体験を通して地域の魅力ある資源・歴史を学び、郷土愛を育みたい」―。西浜中学校とPTA、南湖公民館、地域住民らが協力して構成する「地域を学ぶ会」が、5月12日に姥島(うばじま)(えぼし岩)で自然観察会を行った。
参加者たちの胸の高鳴りに応えるような晴天に恵まれたこの日。小学生から70代の60人が、午前9時に茅ヶ崎漁港から渡船えぼし丸に乗船し、10分ほどかけて2・1Km沖合の姥島に上陸した。高さおよそ15mの”えぼし”部分に近づくと「こんなに大きいんだ」と驚く声が上がった。タイドプール(潮だまり)に生息する魚やアメフラシ、イソギンチャクなどを観察。講師から、姥島は1200万年前の地層が隆起してできたことも説明された。講師の一人で南湖在住の岸一弘さん(60)は「市内の陸地で見られるのは13万年前などの地層。姥島は近くの平島(1800万年前)に継ぐ、古く固く貴重な場所。実際に踏みしめて、歴史や生命の息吹を感じてもらえたら」と熱を込めた。
南湖在住の三橋弘子さん(77)は初上陸に心躍らせた。「長年茅ヶ崎に住んでいていつか来たいと思っていたので感無量。こんなに広い場所だなんて」。西浜中3年の今井康陽君は「想像していたよりも多くの種類の生物がいることが、来てみて初めて分かった」と目を輝かせた。
地域の”宝物”を皆で共有
企画した「地域を学ぶ会」の立ち上げのきっかけは、西浜中前校長で同会会長の日下部雅彦さん(61)と現教頭の名取龍彦さん(59)が以前から「地域の魅力を次世代に語り継ぎたい」と考えていたこと。昨年11月に「南湖院」の講演・散策、今年2月と4月に「姥島」の講座を実施。参加者は校内や回覧板で募ることで「地域による地域のための企画」にこだわった。
7月には観察会の報告会を予定。「楽しんだ体験を家族や友人に伝えてもらうことが、魅力を共有する一歩になる。まだまだ伝えたいものがたくさんある」と名取さん。これからも地域の”宝物”を再発見し、地元住民同士で共有していく。
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