円蔵在住の小室正明さん(74)がこのほど、円蔵地区の歴史をまとめた『円蔵誌』を自費出版した。明治時代の写真や自治会の活動、地元の武将・懐島(ふところじま)景能(かげよし)についてなど、円蔵の歴史を226ページの一冊にした。
小室さんは円蔵で生まれ育った。茅ヶ崎市藤沢市教育組合立小出中学校などの保健体育の教諭として働き、退職後は茅ヶ崎陸上競技協会理事長などを歴任、2012年に円蔵自治会長に就任した。
円蔵誌は、12年度から17年度に小室さんらが実施した『円蔵を知ろう、写真・資料展』がベース。展示会終了後に「地元の知識豊富な人がいる今こそ、この資料をまとめて後世に語り継ぐ必要がある」との責任感が小室さんを突き動かした。
18年3月に自治会長を勇退すると、執筆を開始。『吾妻鏡』『茅ヶ崎市史』『茅ヶ崎地誌集成』などの文献を頼りに円蔵に関わる箇所をピックアップし、1年かけて作成した。
「懐島景能公の記述は特に力が入りました」と小室さん。懐島景能は、懐島(現在の円蔵・西久保・矢畑・浜之郷一帯)を本拠地とし鎌倉幕府創立にも貢献した武将。源頼朝からの信頼が厚く、奥州藤原氏追討の際に頼朝から相談を受けると「軍中は将軍の令を聞き天子の勅を聞かず」と述べ、決断を促した。現在でも円蔵神明(しんめい)神社で開かれる「景能祭」として地元住民に親しまれている。
小室さんは、「懐島一帯の開拓・発展に貢献した功績を多くの人に知ってもらい、語り合ってもらいたい」と話した。
円蔵誌を読みたい人は、小室さん(【電話】0467・82・9095)へ問い合わせを。
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