きょう11月8日は「いい歯の日」。地域の”歯”を守ろうと、市内の歯科医師たちは通院できない人が在宅で治療を受けられる「訪問歯科」に力を注いでいる。
「茅ヶ崎には介護を受けていたり障害を持っていたりして歯医者に行けない人が1万人いるんです」。そう話すのは、松井歯科医院(松浪)の松井新吾さん(44)だ。松井さんは歯科医院で来院した人に治療を施すだけでなく、自宅や介護施設にも出向く。利用者にとっては虫歯の治療や入れ歯の調整などを、在宅で受けることができる。
松井さんは訪問する際、患者が食事ができているのかどうかに注意を払う。「箸がしっかり持てているのか、座っていられるのか。口だけが整っていてもダメなんです」と話し、歯を診るだけにとどまらず介護や看護との連携も図る。松井さんは2017年9月、「スナグルライフ訪問看護ステーション」を運営する(株)松井ライフプロデュースを立ち上げ、歯科医師、看護師、介護福祉士、管理栄養士、理学療法士、作業療法士などと連携したサービスで在宅での自立支援を行っている。
歯科医師会が仲介
訪問歯科の動きは、松井さんが所属する(一社)茅ヶ崎歯科医師会でも広がっている。
歯科医師会内には5年前から「在宅歯科医療地域連携室」を設置。歯科医院に通えない人や家族、介護関係者から連携室に電話が入ると、まずはその場で歯科衛生士らが患者の状況を聞き取る。その上で、歯科医師会内で訪問診療を行う28の歯科医院の中で担当を決め、現場に出向くという流れだ。連携室への問い合わせも徐々に増え、現在では月に20件ほど新たな相談が寄せられている。
そのひとつのざくろ歯科(みずき)の内間恭洋さん(44)は、午前と午後の外来診療の間に患者を訪問。「この地域に訪問歯科は欠かせない」と話し、歯科医師会では介護、医療といった他業種とのさらなる連携にも注力していく。
歯科医師会・訪問診療の問い合わせは【電話】0467・62・0983へ(平日午前9時から午後4時)。
|
|
<PR>
茅ヶ崎・寒川版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>