人権擁護委員として令和2年度神奈川県民功労者表彰を受けた 五十嵐 好江さん 東海岸北在住 77歳
地道に、相談者に寄り添う
○…いじめ、虐待、DV。昨今ニュースを騒がせる人種差別はもちろん、人権に関わる問題は身近に潜んでいる。人権擁護委員として21年。茅ヶ崎の委員14人を束ね、湘南地区人権擁護委員協議会の会長も務めた。毎年の小学生人権ポスターコンテストなど人権教育にも尽力。今年はコロナの影響でさまざまな活動が中止となってしまったが、「私たちの仕事は第一に”聞く”こと。一人で悩まないで、相談してほしい」。
○…生まれも育ちも茅ヶ崎。茅ヶ崎小、第一中と地元で過ごし、学業では日本史に熱中した。高校卒業後は大手電機メーカーに就職。10年経理として会社を支え、結婚を機に退職した。家庭に入ってからはPTA、青少年指導員など積極的に地域に参加。56歳のとき、先輩から業務を引き継ぐ形で人権擁護委員としての仕事と出合った。
○…相談内容は深刻な人権侵犯から、「隣家の換気扇の向きが気に入らない」など些末と思えるような日常トラブルまで。「悩みを話すだけでも楽になることがある。一緒に考えることが大事」。相談者への介入が必要と判断された場合、相談員は専門家へ託すことしかできない。解決の力にはなれないと思い悩むこともあったが、「相談しに来て良かった」との言葉が何よりの力に。今では専門家とつなぐ”窓口”としても、相談者に寄り添っている。
○…2人の息子も独立し、孫娘に恵まれた。学生時代からの歴史好きが高じて、毎年、夫を伴い寺社仏閣のメッカ・関西へ。おすすめは奈良の浄瑠璃寺。「歴史に思いを馳せる時間が楽しみ」とほほ笑む。一昨年、世界人権擁護宣言が70周年を迎え、さらに職務に身が引き締まる。「派手ではないが地道に、確実に力になれれば」
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