茅ヶ崎市は来年3月末までに、市内小中学校の児童・生徒が使用するタブレット端末を配備する。9月に開催された市議会定例会では、1人1台使用できるよう、約1万9000台の購入を可決。学校のWi―Fi環境や教育体制の整備をさらに進めていく。
文部科学省は、全国の小中学校の児童・生徒が1人1台のICT(情報通信技術)端末で学ぶ環境を整備する「GIGAスクール構想」を推進している。今年4月には、新型コロナ感染拡大に伴う緊急事態宣言発令を受け、早期実現に向けた支援を発表しており、茅ヶ崎市も今年度中の整備を進めている。
端末はアップル社のipadを導入。各校に充電保管庫を設け、授業の必要に応じて使用する。
補助的なツールに
活用方法は、インターネットを利用した調査学習をはじめ、動画・画像を用いた効果的な教材提示、グループ学習の成果の共有などを想定する。また、理科の実験を動画保存し、繰り返し見ることで分析・考察の補助をするなど、各教科での活用も検討。より効果的な使い方ができるよう、現場の活用例やアイデアは随時共有していく。
市教育委員会の担当者は「端末導入によって、教科書や鉛筆、ノートがなくなるわけではない。あくまで、より良い学びのための補助的なツールとして活用していければ」と話す。
児童・生徒には1人1アカウントを割り当てる。将来的には自宅に持ち帰り、学校での学びを自宅でも継続できる体制作りを進めたい考えだ。同担当者は「各家庭での通信環境など課題はある」としつつ「より良い学習環境のため施策を進めていく」としている。
活用は正しい知識とともに
教育現場での環境整備に先駆け、民間ではICT端末を活用した教育が進んでいる。
浜見平の民間学童サービス「アデック知力育成教室」では、今年4月のオープン以来、タブレット端末を活用した教育を実施してきた。未就学児から小学生を対象に、タブレット端末と学習アプリを用いて教育を実施。ゲーム性のある課題、記憶力や認識力を高めるプログラムなどによって学びを深めている。
スクールマネージャーの高田美智子さん(48)は「個々に合った学習環境を提供できるのがメリット」と説明する。例えば端末ごとに文字のサイズを変更したり、漢字が読めない児童にはよみがなをつけたり、また先天的に文字の認識が困難な場合には、読み上げる機能をつけたりすることも可能だ。
教室では端末のログイン方法から教えており、他人にパスワードを教えないことなど、ICT機器を使用する上での基本的な注意も教えている。「学習効率を上げ、世界とつながる良いツール。正しい知識を同時に伝えながら活用していきたい」と高田さんは話している。
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