生チョコの生みの親、湘南ル・ショコラBunzoo(ブンゾー)(中海岸・現在は閉店)の小林正和さん(71)が監修した新商品「奇跡の生チョコ」が、11月から平塚で販売されている。
なめらかな口溶けとカカオの余韻は食べた者を一口で虜にする。今ではメジャーになった”生チョコ”。その原点は1987年、小林さんが平塚の店で考案した。シェフ人生の集大成を前に「ブンゾーの味を思い出してくれるとうれしい」と思いを込める。
故郷・長野で再出発
湘南で50年、お菓子作りに没頭していたが、自身もリタイアを考える年齢に。実家も継がなければならない。でも、「どこへ行ってもお菓子作りがしたい」。2年前、妻の恵子さんにその想いを話すとすぐに賛同してくれた。
10月末、茅ヶ崎の本店を閉じた小林さんは、念願の生チョコ工場を構えるため、故郷の長野県飯山市に帰る。
新しい夢もあった。10年前から、「パティシエになりたい」という小学生の女の子を教え、「個性を生かすお菓子作り」を考えるようになった。長野の工場では生チョコを製造するだけでなく、子どもたちが生チョコ作りを体験できるようにする。自身も和菓子を作る叔父の背中を見て職人を志した小林さんは、「お菓子作りを通して子どもたちに夢を与えたい」と目尻に皺を寄せた。
来年2月、飯山市で仮店舗の開店・ネット販売の開始を予定している。
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