2021年の年頭企画として、佐藤光市長に新春インタビューを行った。新型コロナウイルスによって一変した社会の中、新たに見えてきた茅ヶ崎の魅力と、今後の施策について語ってもらった。
(聞き手/茅ヶ崎編集室・杉村一馬)
--社会は今、新型コロナの影響で大きな変革期を迎えています。市長が考える、茅ヶ崎市の「新スタンダード」について教えてください。
「『適(ちょうどいい)』を打ち出していきたいと考えています。茅ヶ崎は約6Km四方で、自転車で回ることも可能なコンパクトなまちです。自然はもちろん、街中の細い道を散策するのも最高に気持ちがいい。働き方が見直され、在宅ワークが一般的になっていますが、茅ヶ崎では『仕事の前後にちょっと海に遊びに行く』といった生活を送ることができます。茅ヶ崎は、休みながら働ける「ワーケーション」のような生き方ができる、ちょうどいいまちなんです。そして、ちょうどいい生活を提案するのが、茅ヶ崎が進めていくべき新スタンダードだと思います。財政がいっそう厳しくなる中、事業はゼロベースで見直しています。これまでの茅ヶ崎の『あたりまえ』を壊して、新たな茅ヶ崎のイメージを打ち出していきたいと考えています」
命守る施策は確実に
--新型コロナによって市民やグループの動きも活発になっています。
「以前から市民のパワーを感じていましたが、コロナ禍においても同様でした。公民館などの公共施設を一時閉館するときも協力的で、『みんなで頑張ろうよ』という気持ちを感じました。キッチンカーを活用した動きも増え、市としても公民館の駐車場や市役所前広場を使っていただくなどの協力ができました。今後は茅ケ崎里山公園にお願いし、家族連れが利用する土日の出店も考えています。湘南地域に引っ越したいという若い世代も増えており、職場に行かず仕事ができる『コワーキングスペース』が、市内にいくつも誕生しています」
——他方で、サザンビーチちがさき海水浴場の開設中止など、観光客を呼び込みにくい状況がありました。
「密の心配がない、新たな魅力を打ち出していきたいです。2022年予定の道の駅オープンを見据え、昨年『Choice! CHIGASAKI』という新たなブランドを作りましたが、魅力を宣伝し、市内を散策してもらうような流れをつくっていきます。漁港北側の駐車場が今年7月までに整備されます。多目的広場も併設されるので、飲食できる憩いの場として積極的に活用していきます。昨年は多くのイベントが中止となりました。必要に応じてやり方を変えることも検討しながら、関係団体と協力しつつ進めていきます」
--財政面について質問します。以前より財源不足が課題でしたが、新型コロナによってさらに厳しさが増しました。
「昨年11月に、来年度予算において約81億円の財源不足があると発表しました。現在、一度絞った雑巾をもう一度絞るような予算編成をしているのですが、市民活動や補助金にまで手を突っ込まなければならないという現状です。市民の皆様には、ご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、知恵を絞ってまいります」
--市長就任から2年が経ちました。手応えや課題を教えてください。
「公約の子育て支援策強化の一つ『子ども未来応援基金』については、1年目に1000万円の寄付、昨年もコロナ禍にも関わらず400万円も寄付いただきました。子どもたちの未来を支えたいという思いを受け止め、子ども食堂や、ひとり親の就職支援などに引き続きつなげていきます。地元経済の活性化についても、継続して取り組んでいかなければなりません。茅ヶ崎ローカル応援チケットは評判が良く、当初は10万冊の発行でしたが申し込みが多く3万冊を増刷しました。飲食店だけでなく、さまざまなお店が利用可能店舗となっていただいたのも良かったと思います」
--今年はどのような年にしたいですか。
「まずはコロナ対策です。そして財政面が厳しい中でも、市民の安心安全、命を守る施策は確実にやってまいります」
|
|
<PR>
茅ヶ崎・寒川版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
|
<PR>