コロナ禍により、心身に不調をきたしてしまうことが社会的な問題となっている。そんな中、市内堤でフィットネスクラブを経営する深井諭さん(39)が提唱する、「呼吸」による精神の整え方が、注目を集めている。
経営者も通うフィットネス
筋力トレーニングで身体を極限にまで追い込む会員たち。その目を見て、息遣いを聴き、精神が乱れてきたタイミングを見計らって「少し間をとりましょう」と呼び掛ける。トレーニングの前後は、必ず呼吸の時間を作るのが深井流だ。
フィットネスクラブでは、この反復によって「精神の整え方」を体感的に身に付けてもらう。会員は、世界で活躍するアスリートのほか経営者や会社員も多い。2年前の開所時の利用者は月16人だったが、コロナ禍でも増え続け、現在は月400人が利用する。
「『休憩は悪』という考えに捉われすぎて、調子を崩す人が多い。適切に休みつつベターな状態を継続していくことが大切」と深井さんは話す。
クラブは緑に囲まれた空間。会員からは愛情を込めて「山小屋」と呼ばれる。県内各所のネイル・まつげエクステサロンを経営する永田真奈さん(39)は「自分と向き合う時間を作れてきた。新型コロナの影響があったときも心を整え、焦らずにいられた」と語る。
プロボディボーダーの長沢依子さん(34)は、レッスンを始めてから、うまくいかないことをきちんと受け入れるようになった。「自分に声掛けし、呼吸を整えることで平常心が保てるようになった」と話す。
会員が世界女王に
深井さんは大学卒業後、トレーナーの道へ進んだ。当初はなかなか結果が出ず、悩むことも多かった。
そんな中で出会ったのが、史上最年少でボディボードのプロとなった鈴木彩加さん(25)。当初ネガティブな言葉が口に出ることの多かった鈴木さんの様子を見る中で、前向きな言葉を伝える必要性を感じたという。
深井さんは小学生から大学生まで続けた剣道の経験を思い出した。「心技体という言葉がある通り、どれかが崩れると勝つことはできない」。呼吸やメンタルの大切さを説き続け、鈴木さんはその後、日本初のワールドチャンピオンになった。
コロナ禍によって心身を崩しそうになった際に大切なのも、呼吸だという。「情報がたくさん入ってくる中、見極めるためにも平常心が何より大切。1日1回、呼吸に意識を向けてみてください」と呼び掛ける。
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