ごみ収集所をカラスが荒らす被害を減らそうと、茅ヶ崎市環境事業センターの職員が考案した対策が大きな成果を上げている。その対策とは、1本の黄色い糸を張るだけ。現在、市内7カ所の収集所で実証実験を行っており、順次他の地域にも広げていきたい、という。考案した職員に話を聞いた。
独自の「カラス撃退法」を考案したのは、同センターのごみ収集員・三橋浩之さん(49)。
茅ヶ崎市内でもごみ収集所で生ごみがカラスに食い荒らされる被害が多く発生しており、三橋さんは「衛生上の問題で周辺住民から苦情や相談が寄せられることも多かった」と話す。同僚職員の中山紘文さん(43)は「道幅が狭いところでは、片付けに時間がとられて収集車が交通を止めてしまうことで、事故の危険性も上がる」と指摘する。
畑や田を参考に
そんな時、三橋さんは父親から「勤務先近くのごみ収集所もカラス被害がひどい。何か良い対策はないか」と相談を受ける。同センターで「業務改善・排出指導班」に所属し、カラス対策を模索していたこともあって「秘策」があった。
「畑や田んぼには鳥除けとして黄色い糸が張り巡らされている。ごみを荒らすカラスにも効果があるのでは」と考えた三橋さんは父親に「黄色い糸を集積所の上に張ってみて」とアドバイス。父親が実際に試したところ、被害が激減したという。
市内7カ所で実験
このことに手ごたえを感じた三橋さんは、班のメンバーと実証実験に着手。今年2月から市内7カ所(松が丘・幸町・本宿町・円蔵・矢畑・萩園2カ所)のごみ収集所にホームセンターで購入した黄色の糸と、約180cmの園芸支柱2本の間に糸を張った。
すると6カ所で被害が全くなくなり、1カ所でもほとんど被害がなくなったという。「現場では収集時に『カラスの被害が減ったね』と住民に声をかけられたようになった」と三橋さん。なぜ黄色い糸に効果があるのかについては「カラスに糸が見えているか不明だが、糸に身体や羽がぶつかる感覚が嫌なのでは」と推測する。
「確実に被害を減らすには、住民がごみをきちんとネットに入れるなどカラス対策をすることが必要」と中山さんは話す。
現在は同センター側から設置をお願いしているが「今後は住民から要望をいただければ、対応していきたい」と意気込んでいる。
問い合わせは同センター業務担当【電話】0467・57・0200へ。
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