神奈川県は11月4日、2021年度の「神奈川の名工」(神奈川県卓越技能者)の受賞者28人を発表した。茅ヶ崎市からは株式会社いんてりあ さとうの室内装飾工で、堤在住の佐藤達也さん(57)が選ばれた。
これは技能者の社会的地位や技能水準の向上を目的に毎年行われているもの。
佐藤さんは38年にわたって壁装施工に従事し、その優れた技能とともに県内装仕上技能士会副会長として、業界の発展への貢献が評価された。「50代で受賞できるとは思っていなかったのでうれしい」と話す。
全国3位の実績も
佐藤さんは19歳の時、親戚に誘われて装飾関係の会社に入社し、職人としての道を歩み始めた。その後、4年で独立。これまでに優秀技能者として受賞経験があるほか、2年に一度行われる技術者の全国大会「技能グランプリ」では、8年前に神奈川県代表として出場し、3位入賞を果たしている。
「絶対手を抜かない」
佐藤さんが強みとするのが、紙製や織物製の壁紙を使って施工する技術。現在主流のビニール製に比べるとコストも時間もかかるため、ほとんど使われなくなっているという。「仕事をはじめたばかりの頃はちょうどバブル時代だったこともあって」紙製や織物製の壁紙の技術を身につけていった佐藤さん。こうした高い技術が評価され、武蔵野御陵の皇族待合室の壁紙施工も任されている。「汚れが落とせないので絶対に汚せない。扱ったことがない人は絶対にできない」と話す。
使う工具は「接着剤やハケ、カッターなどで、特別なものは使っていない」という。「同じ現場は一つとしてない。だからこそ真剣にできるところがやりがい」だといい、「何事にも絶対手を抜かない。よろこんでもらう仕事をする」ことをモットーとして掲げる。今でも「反省点は必ずある。その分、日々成長」と歩みを欠かさない。
現在は後進の育成にも力を入れる。県内に2つある職業訓練校で講師として教えているほか、同会の一級技能士へ指導も行う。仕事で教え子と一緒になることもあり「みんな目が生き生きとして真剣。私以上の人材を育てられるよう努めたい」と話した。
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