市内東海岸北の高砂緑地に建つ茶室・書院「松籟庵」がこのほど、開館30周年を迎えた。同施設は、茶会の開催や文化・教養活動のため一般にも貸し出され、多くの市民が利用している。2月には記念イベントも予定されている。
海水浴や避暑の好適地として知られた茅ヶ崎には、明治に入ると多くの政財界の要人や文化人が別荘を建築した。
同施設が建つ高砂緑地一帯には、オッペケペー節で一世を風靡した川上音二郎・貞奴夫妻が住まいを構え、大正時代になると財界で活躍した原安三郎(元日本火薬株式会社会長)の別荘「松籟荘」が建てられた。
一帯の敷地は1984年に茅ヶ崎市が購入。別荘地としての景観を残す緑地公園として、市民に広く公開されるようになった。
さらにスーパーマーケットチェーン「長崎屋」創業者の岩田孝八から1億円が寄贈されたことをきっかけとして、「松籟庵」の整備が計画され、1991年11月に開館した。
建物は、茶室と書院を渡り廊下で結ぶつくりで、茶室は京都にある裏千家の代表的な茶室である「又隠」を、書院は表千家不審菴の「松風楼」を模した。
本格的な茶事を開催できるほか、文化・教養活動のための施設として市民に貸し出されており、2018年度には5525人、19年度には5352人が利用していた。
また同時に整備された日本庭園は、「松籟荘」時代に作られた庭園をそのまま生かし、泉池・築山・石橋・梅林などが配され、築山の頂きには、奈良・薬師寺の三重塔を忠実に模した10分の1サイズの小塔が据えられている。
記念イベントも
同施設の開館30周年記念イベントが2月27日(日)、茅ヶ崎市民文化会館小ホールで開催される。
当日は茶道のある日常を描いた森下典子さんのエッセーを原作とした映画で、女優・樹木希林さんの「遺作」としても知られる『日日是好日』を上映する(午後1時5分から2時50分まで)。
その後、原作者の森下さんと茅ケ崎北陵高校OBで映画監督の三澤拓哉さん、鎌倉彫作家の三橋鎌幽さんによる講演会が行われる(質疑応答も含め午後3時5分から4時15分まで)。
チケットは全席自由で1500円(講演会含む)。1月14日(金)から茅ヶ崎市民文化会館、川上書店ラスカ茅ヶ崎店で発売する。
また会場内ホワイエでは、森下さんの著書が販売されるほか、4階の練習室5・6に、呈茶席が設けられる。時間は午前10時から午後3時で、1人800円(予定人数50人)。
チケットプレゼント
本紙読者10組20人に同イベントのチケットを進呈。希望者はハガキに住所、氏名を記入の上、〒253―0041茅ヶ崎市茅ヶ崎1の11の1茅ヶ崎市民文化会館「日日是好日」チケット係へ。1月28日(金)必着(イベントは今後、新型コロナの感染状況によって、中止の可能性がある)。
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